映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年07月14日

「キャバレー」ボブ・フォッシー

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ついに観た「キャバレー」思った以上に素晴らしい、そして苦味がある楽しいミュージカルだった。

アメリカ映画だが、舞台はベルリン、ナチスの威力が次第に強まってきている頃。昨日の「魔王」はナチス後期なので時代は少し前。
ドイツ語はあまり得意でないアメリカ娘とケンブリッジの学生であるイギリス男が出会う。
アメリカ娘=サリーは底抜けに明るくてキャバレー(歌やダンスやコントなどのショーを見せるお店である)の花形スター。いつか映画女優になりたいという夢を持っている。
イギリス男=ブライアンは英語を教えるバイトをしている。ケンブリッジに戻って教師になる予定。実は今まで女性との経験が成功したことがない。

とにかくライザ・ミネリのサリーが魅力的で可愛いことといったら。同じように大人しくて真面目な雰囲気のブライアンも素敵なのだ。私はマイケル・ヨークのような感じにも弱い。可愛らしいのだよね。
彼らのキャラクターはアメリカ的とイギリス的をそのままいっているのだがそれが効果的に作用していると思う。
二人の間に入り込んでくるハンサムなドイツ人男爵はバイ・セクシュアルでこともあろうにサリーとブライアン両方に手を出してくるのだった。暫し裕福な生活を送った二人は馬鹿だったと気づかされる。
その間にサリーは妊娠し、それを知ったブライアンは結婚を申し込む。二人は幸せになった、と思った矢先、サリーは堕胎手術を受けてしまう。このままケンブリッジに行って平凡な生活はできない。私はいつまでも夢を見ていたいの。愛し合いながらもブライアンはイギリスに戻り、サリーは今夜もキャバレーで歌い続けるのだった。

なんとも言えず人生の苦味を味わいながら、笑ったりしんみりしたり。
もう一組二人の前にあらわれた富豪のユダヤ人の令嬢とジゴロ的な男のラブ・ストーリーもある。
ナチスの台頭するこの時期にこの二人の存在もまた苦い。この後、ふたりの運命はどうなったのだろうか。

物語のラスト、ブライアンと別れたサリーがいつものようにキャバレーで歌うのだが、その店にはナチスの軍人達が幾人も姿を見せていてぼんやりと映しだされている。これは不吉な予感なのだろうか。サリーもその後、幸せになり得たのだろうか。

キャバレーの司会的ダンサーが常に物語を皮肉に歌って狂言回しの役をしていく。彼の名演技も忘れられない。

監督:ボブ・フォッシー 出演:ライザ・ミネリ, マイケル・ヨーク, ヘルムート・グリーム, ジョエル・グレイ
1971年アメリカ


posted by フェイユイ at 23:43| Comment(2) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『キャバレー』!・・初見は高校生位の時。この不可思議な雰囲気に酔いその後も何度か観て感動したのですが、その頃の私は“バイセクシャル”というコト自体も全然解っていなかった、皆目。今だから解る、あの男爵と二人の関係。そして最後二人が別れるに到る経緯だって。
そんな風にコドモの私にとっても圧倒的に魅力的だったライザ・ミネリの唄うナンバー☆パンチの効いた歌声、最高に好きでした。
そして印象的なシーンの数々。。ジゴロのフリッツが純愛に目覚めあの時代状況の中敢えてユダヤ教の結婚式を挙げるシーン。アパートの退廃的な住人達。ナチス台頭の不気味さを予感させる広場での斉唱(合唱?)シーン。ブライアンとサリーが結ばれた時の部屋いっぱいの、蝋燭たち。裸に帽子とネクタイをする変な顔の俳優(笑)マイケル・ヨーク。。堕胎した後の階段を落ちていく鞠。。。
ライザ・ミネリを大好きになった作品でした。そしてこの時“変なカオ〜”と感じたマイケル・ヨークのセクシーさに、この歳になり気付いています。年とともに人間、変化するのですよねぇ、あらゆるコトが・・。
Posted by フラン at 2007年07月15日 17:11
以前話した、映画を若い時に観てまた年取ってから観る楽しみですね。
本作は残念ながら私にはその楽しみがありませんでしたが、確かに若い時観てたら半分も内容を理解できないでいたでしょう。でも多分知ったかぶりで好きになってたとは思いますが(笑)

この年で観たおかげでほんとに楽しめました。楽しいのに渋みもあって名作ですね!!ライザ・ミネリがこの一作で名を残しているのが判りました。

マイケル・ヨークは他作品で見てましたが、確かにちょっと変な顔なのですが味わいあります。それにここではとにかく可愛い!!ですね。ミネリと対照的カップルで凄く素敵でしたー!
Posted by フェイユイ at 2007年07月15日 23:54
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