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2007年07月25日

「青い棘」アヒム・フォン・ボリエス

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実はこれパッケージと題名で美形だけが売りのやおい映画かと勘違いして二の足を踏んでいたのであった。
そういうのではなかった(申し訳ない)
何故か若い時には死を身近に感じ死への憧れを持ってしまう。ただ一度恋に失敗してもそれが自分の全てだと感じてしまう。そして死を選ぼうとする。通り過ぎてしまえば思い出の一つになってしまうのだとは考えることもできずに。

私がイメージするドイツ映画そのもの、という内容であった。暗く重く救いようがない。
恋に奔放な女、と言って登場しても許されない。
十代の夏の夜のパーティなのに何かしら重苦しい。友達同士で列車に乗っていても空気はよどんでいる。
斯くも青春というのは痛みに満ちているものか。この雰囲気、たまらないのである。

単純に利口な発言をするならば、ギュンターの行動は短絡的でそれを止め切れなかったパウルも不甲斐ない。
だが二人の痛みをちくちくと感じて切なくなってしまうのだ(だから青い棘か)

ギュンター、ヒルデ兄妹の家に不思議な占い機械(?)があってヒルデがパウルの将来を占う場面がある。
縄跳びの握り手のような部分を握って念じるとその結果が現れるのだとヒルデは説明する。
回り出した機械にどきどきする。止まった機械が示したのは「隠者」パウルは一生誰とも結婚しないのだという。
この占い機械、本当にあるものなのか?単に回すんでなく握り手があるのが不思議。熱か電気が反応するのだろうか?

パウルを演じたダニエル・ブリュールは「グッバイ、レーニン!」での熱演を観たばかりだったので凄く楽しく観れた。こちらでは大変な美青年になっていて、でも性格は真面目で一途な所が同じ。
ギュンター役のアウグスト・ディール、凄く痩せているのでちょっとぎょっとしたが、こちらもなかなかの美形である(私は痩せ型よりがっしりタイプが好きなのでちょっと)彼はハンスという青年と恋仲だったのに妹に寝取られてしまい復讐と自殺を計画する。
この映画でちょっとした驚きだったのはゲイであること自体が問題だったり隠したりすることでなく語られていることだった。
他の作品が同性愛ということに引け目を感じたりそのことで死を選んだりするのとは違うのが新鮮だった。
そしてこの二人、パウルとギュンターは単なる友達とも言えず、同性愛でもなく「共生」の関係で成り立っている。
ギュンターを失った後、パウルはどんな人生を歩んでいくのだろうか。

兄妹の両方と肉体関係を持つハンス。やせっぽちでどこがいいのか判らない。
ギュンターの妹ヒルデは一人の男に縛られるのは真っ平と公言し、また非常に男性を惹き付ける魅力ある少女として登場する。が、後に魔女狩りに会い、図書館司書として生きていく、というのがおかしい。この物語は実話ということなのでこういう結果が実際にあるのだ。図書館で働いていても男性遍歴はできると思うが?
一方、ヒルデの友人エリはただ一人の人を愛したいと願い彼女も独身で過ごしたらしい。一度会っていたパウルに顔も覚えてもらえなかったというこれも悲しい運命の女性なのだ。

監督:アヒム・フォン・ボリエス 出演:ダニエル・ブリュール アウグスト・ディール アンナ・マリア・ミューエ トゥーレ・リントハート ヤナ・パラスケ
2004年ドイツ


posted by フェイユイ at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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