映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年10月08日

『恋愛睡眠のすすめ 』ミシェル・ゴンドリー

恋愛睡眠のすすめ.jpg

なんとまあ可愛らしくて楽しくなってしまう映画なのだろうか。ちょいと前に観たドイツのファイト・ヘルマー「ツバル」をなんとなく思い出してしまう。別に似てはいないし、こちらの方がまだ現実的であるのだけどね。あちらはもう全くのオタク世界である。海に浮かぶ小船が出てきたってだけかもしんないけど。
彼女がお気に入りのポニーのぬいぐるみが動き出すように細工してしまうなんてホント夢のお話だよね。

本作の主人公ステファンは小さい頃から夢と現の境目がはっきりしないという特徴を持つ。発明するのが得意で一秒だけのタイムマシンなんかを作ってしまう。メキシコから母を訪ねてフランス・パリにやって来たがフランス語が苦手。母国スペイン語と英語を話す。絵を描くのも上手く、母のツテでカレンダー会社に入るが想像していたクリエイティブな仕事ではなく、しょうもないカレンダーの会社名を貼り付ける作業に追われ手が巨大に膨れ上がる夢を見る(これ何となく判る)いつも遅刻して夢ばかり見てる。
そんなステファンの隣に越してきたのがフランス人のステファニー。最初ステファンはステファニーより友人のゾーイが好きだった(可愛かったから。ステファニーはステファンのパパに似ていたのだ!)のだが次第にステファニーの作るフェルトで出来た愛らしい小物たちに魅了され、それを生み出すステファニーを恋してしまうのだ。
ところがステファニーは「恋人はいらない」というし、ステファンもここぞという時余計な妄想が働いて素直に恋を語れないのだった。

現在の女性が最も忌み嫌うオタク青年ステファン。確かに頼りなくて幼くて美形のガエルがやってなきゃ絶対許せないワと言う声も聞こえてきそうな雰囲気なのだ(「手を握ってくれないと眠れない」だとか「髪を撫でてよ」だとか言いつつきわどいシモネタも連発する可愛いガエルよ。本当に君でなければやれない)
一方のステファニーはやってる事はメルヘンチックだけどさっぱりとクールで大人っぽい(パリの女性というイメージだ)のだけど無邪気に子供っぽいステファンに惹かれていってしまうのだ。(こういう感じ、昔だったら男女が逆、だったんだろうけどね)
「70歳になったら結婚してくれる?」と上目遣いでガエルに言われたら嫌とは言えんだろう。「僕の為に泣くんでなきゃヤダ」っていう台詞も他の男じゃちょっと無理だ。

まーまーガエルの愛くるしさは今に始まったことではないが相手役ステファニーを演じたのがシャルロット・ゲンズブールでうはあ、お懐かしや、と思ってしまった。って彼女は別段ずっと活躍してたわけだろうけどね。
その昔、セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの娘ということでデビューしてもてはやされたけど、ちっとも変わらないこの気にかけない雰囲気でどうってことないわ、といったクールな感じが余計素敵なのだったが、全く変わってないので驚いた。年齢もいってるはずだがどうしてこういう役が違和感なくやれるのだ。

でもってまるで『ツバル』と同じように夢の国のステファンは船に乗って海を渡っていくのだった。

監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル シャルロット・ゲンズブール ミュウ・ミュウ アラン・シャバ エマ・ドゥ・コーヌ
2006年フランス/イタリア




posted by フェイユイ at 22:03| Comment(4) | TrackBack(1) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
フェイユイさんは、ガエル主演の映画の感想が多いと思うのですが、カテゴリーに「ガエル」がないのは何故ですか?
Posted by おおくぼ at 2007年10月08日 23:21
ま、まいったなあ(笑)まったく!このブログの理想とする『モーターサイクルダイアリーズ』を始めとして『ブエノスアイレスの夜』『バッド・エデュケーション』などガエルものたくさん観ました。
が、殆どは『藍空』時代というのと「可愛い可愛い」と言ってる割に私自身それほどガエルファンではない、と思っていたところがあって(なぜ?笑。私、わりにこういうのありますね)
しかし彼の映画は凄くいいのが多すぎるほど多いです。凄い役者なのです。ガエル・カテゴリーを作ったら彼のファンが集まってくれるかな、という期待はありますが(笑)『藍空』の壁を破ってカテゴリ作ってしまいましょうかねー?
Posted by フェイユイ at 2007年10月08日 23:59
ガエル作品鑑賞第4弾、名画座へ行って参りました。因みに同時上映『あるスキャンダルの覚書き』。その創りの旨さがよりよく解りました。
そして上記を読み『モーターサイクルダイアリーズ』が“藍空放浪記”の理想だったことを今日、知りました。改めてその頁を参照してフェイユイさんがゲバラについて深く知ってらしたことも。ゲバラ氏は残した手紙を垣間見るだけでも、その知性と人間としての大きさにとても打たれますね。。。
さて、ステファン☆です(笑)・・ヘタレな・・^^;うっとおしいですねぇ私ならこういうタイプの男子は〜(笑)・監督が多分こういうヒトなのではないか?^^;
夢と現が一緒くたになったらさぞつらいだろう。見てる分には面白いけど。ステファンの滑稽さが魅力の作品であるし、展開されるアート(美術)が手が込んでいた。手作り感を強調したかったのでしょうね。夢というもののワケワカラナ感がとてもよく表現されていました。台詞も2,3(笑)いいのが。「君の胸は威圧的でなく慎み深くて好きだ」とか「涙は好きだ・・君が眼鏡をかけるから」(「でも僕の為の涙じゃなきゃイヤダ」へ続くのですよね)とか。
二人は果たしてこの調子で“旨くいく”のでしょうか?それとももう既に旨くいっている、のかな。ステファニーよく付き合っているもの(笑)ついに彼に恋をしているし。。
ガエルは小柄だから余計この作品に相応しい。着ぐるみになったり空飛んだりお風呂に入ったりイロイロしてますが(笑)ドラムと歌声にグッときたな〜・きっと唄うと素敵なんではないかしら〜?^^さぁてこの次は、年明け頃に女装の彼に行くとしますか。。
Posted by フラン at 2007年12月20日 17:43
チェ・ゲバラに詳しいというのはおこがましいのですが^^;とにかくあの映画で俄然興味が出て夢中で本を読んだというだけです^^;
本を読んでますますゲバラに心酔してしまいました。『モーターサイクル・ダイアリーズ』が理想というのも変な話ですが、色々な国を旅してそこに住む人々の悲しみや苦しみまたは喜びを感じ取っていった彼のように私も色んな国の映画を観て学んで行きたい、と思ったのでした。

『恋愛睡眠』はガエルの可愛らしさですべてもっているという(笑)とんでもない台詞も彼だから許される。ガエルの才能の一つをまた見せ付けられました。

お、女装の彼、ですか。それは楽しみだなあ!お待ちしています(笑)
Posted by フェイユイ at 2007年12月21日 22:16
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夢の中へ〜『恋愛睡眠のすすめ』
Excerpt:  LA SCIENCE DES REVES  踊りましょう 夢の中へ  行ってみたいと思いませんか・・  父の死後、メキシコから母の住むパリに戻ったステファン(ガエル・ガルシア・..
Weblog: 真紅のthinkingdays
Tracked: 2007-10-08 22:28
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