映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年10月12日

『エドワードU』デレク・ジャーマン

エドワードU.jpg

実に久し振りに再観。最初観た時は妙に深遠めいてさほど面白くもなように感じたが、今回非常にわかりやすく興味を持って観れた。年をとったせいなのだろうか?

英国史上、最悪の愚王とも言われるエドワード2世は貴族の生まれではないガヴェストンを一途に寵愛し爵位を与える。
フランスから嫁いだイザベラは王からの愛を受けることが出来ず苦しみガヴェストンを排除しようと臣下であるモーティマーと手を組む事になる。

1300年代の話ゆえ古装劇のはずなのに現代の衣装と現代のインテリア・小物、コンクリートの壁そしてパンクな若者達が登場する。
そういった演出にしたことでこの作品が単に昔話ということでなく身近な問題として捉えやすく感じられる。
エドワードを始めゲイを貶めるモーティマー自身は女達に弄ばれる事に快感を覚えるマゾヒストである。
だからといってエドワードとガヴェストンも褒め称えられるような人格にも描かれてはいないわけで登場人物全てが重いが捨てる事はできない業を背負って生きているようである。
エドワードのまだ幼い息子は可愛らしげであるが最後、化粧をし、耳飾をして母と間男モーティマーを檻に入れて(ヘッドホンで音楽を聞きながら!)踊るところなどすでに将来が暗示されている。

ガヴェストンも王もあまり好きとは思えないが一途に愛しあう姿には惹かれるものがある。ガヴェストンの下賎さと前髪は魅力的だ。

背景というものが少なく一箇所から当てられる強い光の陰影と芝居がかった台詞が悲劇的雰囲気を強調させて面白い。

王に外傷を負わせるのは外聞が悪いということで焼けた鉄串を肛門から差し込まれて殺害されるという言い伝えがあるそうなのだが、ここでは処刑執行人が王を慕っていたということで終わる。

デレク・ジャーマンはこの作品を作った時すでにHIVに感染し、死の数年前であるから最後の「死よ、来たれ」という言葉が悲しく響く。

監督:デレク・ジャーマン 出演:ティルダ・スウィントン スティーヴン・ウォディントン アンドリュー・ティアナン ナイジェル・テリー アニー・レノックス
1991年イギリス/日本


posted by フェイユイ at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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