映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年10月28日

『パリ・ジュテーム』続きの続き

マレ区.jpgマレ区2.jpgマレ区3.jpg

3度目の記事。作品のそれぞれを3回観たわけではないが。もっと観たのもあるし、一度だけのも。
どうしても気になってもう一度観てみる。

冒頭の音楽軽やかで楽しく。パリという雰囲気たっぷり。

1話目。『モンマルトル(18区)』Montmartre 監督・脚本・出演:ブリュノ・ポダリデス/フロランス・ミュレール
パーキングができないモンマルトルにグチをこぼし、何とか駐車できたものの自分はハンサムで才能もあるのに何故彼女がいないのか、とまたグチる。
このハンサム愚痴男が監督自身なのでびっくり。そこへ通りがかった女性が突然血糖値の問題で倒れこむ。驚いたグチ男、急いで救助する。実は救急士の資格も持っているのだ。
通りがかった人々に助けられながら車に女性を寝かせる。年齢はややいってるだろうがいきなり手を握ってきたりしてなかなか色っぽい美女なのである。「うなじが気持ちよかった」「支えた僕の手も」
そして禁煙治療に行く彼女を送っていくのだった。
モンマルトルという街もパリの中でも有名であるし、主人公の二人がそんなに若くないのがパリの恋らしいではないだろうか。

3話目、『マレ地区(4区)』Le Marais 監督・脚本:ガス・ヴァン・サント/出演:ギャスパー・ウリエル、イライアス・マッコネル ←と書いてあって役名はそれぞれガスパールとエリなってるが、映画のタイトルロールでは、Gaspard ULLIEL=Gaspard、Elias McCONNELL=Elieで、つまり二人は本名が役名になってるのだよ。ちなみにエリの方が先だった。
英語読みでイライアスがフランス語だとエリになるわけかな。ギャスパーとガスパールは同じ発音のはずなのにどうして区別してあるのか???(多分ガスパールにするとあの可愛いシロとクロの犬のキャラクターを思い出すから?リサとガスパール。こちらはエリとガスパール)
という前置きもすでに長いがこの二人がどういう関係なのか、本当に妄想は正しいのか、考えてみた(何故そう真剣に考えるかなー^^;)
まずはこのマレ区という地域がパリでもゲイの住む町として有名だということで普通に考えればゲイが集まってくる場所ということでそこで出会う二人も当然ゲイである可能性が高い。
エリ君は英語圏から来た(アメリカとすべきなのかな)若者でまだ恋人も見つけていない。無口で社交的でもないようなので孤独な影がある。そこへ英語がわかるフランス人ガスパール(どっちでもいいや)が登場して「今まで絶対会ってる」だの「ステキだよ」と言っておいてそれがショップに対する賛辞にすり替える。ガラス越しにエリを見るガスパール。ガスパールの肩越しにエリがガスパールをじっと見てるのが判る。「自分の片割れの存在を(信じる)?」というのは『アグリーインチ』を思い起こさせる。
ガスパールはエリにもっとゆっくり話したいことがあるからと言って電話番号を渡すがエリにはフランス語が通じていなかった。
後で店主に電話番号だと知らされやっと意味がわかった、という表情をする。
「電話してみたら」という店主ももしかしたらゲイなのかもしれない。
そして謎だったのはエリが店を飛び出す時上着を放り出したという行為。一体何故彼はわざわざ上着を放っていったのか?
私は英語が聞き取れないので歌詞の意味がわからないがエリが走り出したときかかる歌、「ロンリー・ブルー・ボーイ イズマイネイム」と歌っている。エリは孤独の間着ていたのはブルーの上着だったのだが、友達ができた、と思った時そのブルーの上着を脱ぎ捨てて走り出したのではないだろうか。
もう彼はロンリーではなくなったのだ。
しつこくギャスパーのことだが左手で電話番号をかく仕草がなんともセクシー。くっきり浮かぶ傷の様な笑窪も素敵。(これ、ジェイ・チョウにもあるの。必殺だよね)
私いままでそれほどギャスパー好きと言ってなかったのに(笑)こうも変貌していいのか。
これの主人公はエリ君なのだけどね。それに私は顔的にはエリ君の顔が好きなのだ。なのでこういう場合、私はギャスパーの方に感情移入してエリ君を可愛いなーと観ておるのでありました。

9話目、『エッフェル塔(7区)』Tour Eiffel 監督・脚本:シルヴァン・ショメ/出演:ポール・パトナー
名残惜しくてもう一度観る。他のは観なくてもこれはなぜか妙に怖いもの観たさなのだ。
メガネっ子少年ジャン・クロードが凄く可愛い。でっかいランドセルをしょっている。ご両親の出会いは、と聞かれて物語がはじまる。
「パントマイムバカ」と落書きされてしまう太っちょマイマー。そのパントマイムも高速回転の足取りもなんだかどっかひっかかるアクがあって最初嫌なんだけどそれが快感に変わっていくのだ。もっと観たいと。
でも出会う人たちはそんな彼を忌み嫌っているの。銀髪の女性警察官、綺麗なおばあちゃん双子。そしてキスする恋人達の横でキスのパントマイム。エッフェル塔の写真を撮るふり。妙な動きをしながら恋人達の後を追って左枠に外れていき怒った黒人男性と警察官に追われて右側枠へ退場。
お縄となって留置場へ。同じ檻に入れられた別の男が「変てこりんな二人と一緒はごめんだー」と叫ぶ。みるとマイマーの横にそっくりな波長の女性マイマーがいるではないか。途端に意気投合して不思議なパントマイムを始めた。その異様な光景にますます怯える男「もう二度と酔っ払わないからだしてくれ〜」
追い出されたのはパントマイムの二人。月夜のパリを手に手をとってランデブー。勿論二人の足は高速回転。軽やかな音楽に乗って道路の真ん中を歩いていく。エッフェル塔をバックにしてなんてロマンチックなんでしょう。これが両親の馴れ初めであった。
でっかいランドセルのジャン・クロードも「パントマイムのバカ息子」と友達(?)にどつかれるがめげはしない。見守るパントマイム両親の笑顔を受けて一所懸命走っていくのだった。
特に女マイマーさんの笑顔が好きで(笑)あの手をスーッとかざしてにこーっとなった出会いの笑顔が印象的。その後のダンスは何度でも観たい!やっぱりこれが一番かも?(笑)

『お祭り広場(19区』
監督・脚本:オリヴァー・シュミッツ/出演:セイドゥ・ボロ
傷を負った黒人男性ハッサンが手当てを受けたのは新米の黒人女性救急士ソフィ。その美しい顔を見てハッサンは思い出した。
かつて働いていた駐車場で出会ったことを。その時一緒にコーヒーを飲もうと誘いたかったことを。
移民であるハッサンは次第に職も住処も失ってしまう。些細なことで見ず知らずの男から刺されてしまう。
遠のく意識のなかでハッサンはソフィに歌を歌う。「いい歌ね」と言われた歌を。
ソフィとハッサンが出会った時間はほんの僅かな時間なのだがハッサンにとってはそれが彼の支えであったはずだ。
それを感じたソフィは瀕死の彼の為にコーヒーを注文する。だが彼は連れ去られソフィの手には飲まれることのない二つのコーヒーがカタカタと揺れているのだった。
移民の多い街パリ。ニュースを見ていても彼らが生きていくのは非常に難しいことが判る。新しい大統領も移民に厳しいと聞いた。彼のような事件は珍しいことではないのかもしれない。ソフィの髪とくっきりとした大きな目が美しい。

『ペール・ラシェーズ墓地(20区)』 Père-Lachaise
監督・脚本:ウェス・クレイヴン/出演:ルーファス・シーウェル、エミリー・モーティマー
結婚を控えたイギリス人カップルのケンカと仲直り。
女性は人生にはユーモアが必要だと考えペール・ラシェーズ墓地に眠るオスカー・ワイルドを信奉している。男性はジョークは苦手とあきらめ切っている。
ワイルドの墓にキスをする女性を咎める男性。そんな彼にすっかり失望する女性は結婚はなしよと走り出す。
男は君がいなくても平気だといった途端転んでワイルドの墓にしたたか頭をぶつけてしまう。
そこに現れたのはなんとオスカー・ワイルドの幽霊(これ、アレクサンダー・ペイン監督だそうな!)
「彼女を失えば君は醜く死ぬ」と言われ目が覚めたように彼女を追いかけキスをする。かくして二人は仲直り。めでたし。
よくある恋人同士の仲良しけんかと言う感じでしょうか。微笑ましくて誰でもこんな風にうまくいくと幸せだよね。

今回もまだいい足りないのに時間がもうない(笑)とにかく何回も観れて楽しい映画だということですね。
また見直せば新しい発見が見つかるかも。そんな映画です。

エンディングでいくつかのカップルのその後、というのが映される。『セーヌ左岸』の青年も頑張ってます。『モンマルトル』『フォブール・サン・ドニ』『マドレーヌ界隈』の二人うまくいってるようで。『ヴィクトワール広場』のお母さん少し元気でたのかな。
惜しむらくは『マレ区』のその後がなかったことで(しつこいっ)

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posted by フェイユイ at 22:10| Comment(7) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
顔的にはエリ君が好きですか(笑)・・フェイユイさんすごい◎^^歌詞の通りにエリ君走り出しているのですよきっと!そこまで私は考えられず;でもだとしたらガス監督ったら(英語圏の人はすぐ判る訳だし;)ベタやな〜☆(笑)・・この作品観るためだけにDVD買う価値ありますよねホント^^ガラス越しにエリをみつめるシーンの素敵な事〜!(><)あの太っちょのオバサマが往年のたしかミック・ジャガーやデビッド・ボウイ達と浮名を流した?(違ったらスイマセン)かの有名なマリアンヌ・フェイスフルだということがちょっとした衝撃(笑)ぁあー☆オンナも太っちゃダメよね、と思った(自戒;;)〜ギャスパー好きとしては、ランニング、ぐしゃぐしゃ長髪、左利き、台詞多し、彼のチャームの左頬のエクボ(というか皺というか)側から撮っていること、等ガス監督さすがギャスパーの魅力最大限に引き出してます。ギャスパーは確かお顔の右半分がアラン・ドロン、左半分がジャン・ポール・ベルモンドといわれたらしいです。納得。麗しいナァ・・(壊)^^;
ところで今晩!ですね、マットinスマスマ!!^^そして何やらレッドソックスも世界一?とか?マット大喜びですよね〜!多分中居君も松阪とか野球話題振りそう^^。実は私スマスマの別の手品のコーナーとやらに出る山本耕史のファンでもあるので(聞いてナイヨー;)今夜はもうお祭り状態。ついでにこれも行けなくて悔しかったのですが昨日、東京国際映画祭にマイケル・ピット(ガス監督お気に入り俳優→『ヘドウィグ・』『小説家をみつけたら』『ラストデイズ』)が来日していましたよねェ。日本も色々たいしたもんだ〜(^^)v

Posted by フラン at 2007年10月29日 08:07
毎度お付き合いいただいてありがとうございます(笑)とにかく『マレ区』の謎を解こうと必死になりました^^;
英語圏の人ならすぐにこの歌が耳にはいるわけですよねー。私はどこかにヒントがあるはず!ということでやっと歌に気づきました(笑)
そうそうエリ君が好きなんでギャスパーになったつもりでエリ君を誘いたいなーと思いながら観ていました。そのことをちょっと書き足しました。フランさんのコメントで「こう書けばよかった」と思うことがたくさん出てきて書き直しが多いです^^;
マリアンヌ・フェイスフルさんに関してはまったく知りませんでしたー。そんな凄いお人だったとは〜。

TVチャンネル権がないので「スマスマ」は危ういのですが見たいです〜。なんとか頑張ってみます!
Posted by フェイユイ at 2007年10月29日 15:55
フェイユイさんの感想を読んで
DVD買っちゃおうか!と思いました。

そういえば私
イライジャ・ウッド目当てで
これを観にいったのでした。
でも、なんだか
ガッカリしちゃって。。。
Posted by せりーぬ、 at 2007年10月29日 16:48
沢山『パリジュテ』記事挙げて頂き感激です!そしてこんなにガス監督作にフェイユイさんがはまるなんて(笑)・謎解きまでしてもらっちゃった。唄の歌詞に着目はすごい〜私はぼへ〜と♪酔ってただけでしたもの^^
マギー・ギレンホールの『デ・ザンファン〜』は雰囲気的にはどうでしたか・私は個人的に生理的感覚で好きなだけなのですがしかし強烈に。・・他の感想等どこを覗いてもこの作品についてはほとんど触れられていないのですよ。
Posted by フラン at 2007年10月29日 17:34
>せりーぬ、さん
そう言っていただけると嬉しいです(笑)

イライジャ・ウッドはちょっと残念でしたね。吸血鬼ものは大好きなのですが、少し子供っぽかったでしょうか?
エンディングで仲良くしてたのはちょっとおかしかったですけど。

>フランさん
ガス監督作品のためにどのくらい文章を書いたやら!
たった5分なのに〜(笑)単純な話のようで謎解きをしっかりさせられるなんてやっぱり只者ではないです、この方!

『デ・サンファン〜』フランさんとは他の作品については割りと同じ好みだったようですがこれだけはあまり判らなかったのですよーすみません。しかし他の人も感想書いてないんですねー(笑)私も表現が難しくて書きたくても書けませんでした。
フランさんは『エッフェル塔』を好きな人が珍しいと書いてましたが、むしろフランさんの特徴はこちらにあるのかもしれませんね。私は自分が「悪」を好きだと思ってましたがフランさんのほうが本当の「悪」好きなんですよね!『罪の王』の時思いました。私はまだまだなんだなー、としみじみ。本当の「悪」好きになりたいんですけど(笑)まだ甘ちゃんです私はー!
このオムニバスの中でも一番の影の作品ですね、これは。生理的感覚で好き!ということ自体凄い!です。
Posted by フェイユイ at 2007年10月29日 21:56
“本当の「悪」好き”・・しばらく洗濯物畳みながら考えてしまった(笑)。多分、自分じゃ実現できない=不良☆への憧れ、とでもいった感じかしら〜『太陽がいっぱい』に痺れたコトは確かですが〜(笑)今後は好きな雰囲気であった『デ・ザンファン・』のオリビエ・アサヤス監督作に注目してみよう、とかそんな契機になったり、色んな楽しみを与えてくれた映画でしたね、『パリジュテ』!!^^こんなに長くフェイユイさんと「ど〜れが好き〜?」ってやれて、おまけに分析も出来て、本当に楽しかったですーー!
最初に「自分の趣味・趣向がわかる」とか云いましたが私は「悪好き」・・意識したことなかったけど、気付いてちょっと嬉しいです。^^フェイユイさんと『エッフェル塔』好きで一致したのもすごく嬉しい!映画館でも、ギャハハと受けてた人ほとんど見なかったですし。そして他の評等見渡してもやはり現代の人々の心の琴線に一番触れるのは『14区』なのだなあと。今の時代の気持ちを代弁しているのでしょうね。。。お話はつきませんね。^^
Posted by フラン at 2007年10月30日 09:03
私は「悪」好きというより「変」好きだと自分では思っています。
よいにしろ悪にしろ、変なのと人から言われる世界に興味があるんですねー。もしかしたら自分では気付いてないこともあるかもしれませんが(笑)
そういう意味でも『エッフェル塔』は最高でした。
ペイン監督の『サイドウェイ』私は「うますぎて嫌」みたいな感想を書いてたんですが(笑)そのうまさが『14区』では凄くいい感じに出ていたと思います。これにみんなが共感できるのはわかりますねー。
これは変ではないでしょうが美女を使ってないのは映画としては「変」にいれてもいいのかと思います(笑)
本当にこの映画話がつきませんね。もう少し後で観たら他の作品にもまた違った思いが浮かぶのかもしれません。

コメントが多かったので見逃してました^^;
お返事おそくなってすみませんm(__)m
Posted by フェイユイ at 2007年10月31日 16:42
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