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2008年01月14日

『ヘルボーイ』ギレルモ・デル・トロ

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Hellboy

『荊の城』のルパート・エヴァンスに心奪われ他の出演映画は?というとこれしかレンタルなかったのだが、これが意外にも物凄くよい出来でここにきてギレルモ・デル・トロ監督にはまりそうである。世間では『パンズ・ラビリンス』で有名になっておられるようだが、私は未見。

且つ目的のルパートはてっきりチョイ役かと思いきや出ずっぱりで顔が拝めたのでこれも期待以上150%に大満足であった。しかも『荊の城』でのお調子者の二枚目詐欺師とは正反対に生真面目な七三分けヘアスタイルのFBI捜査官で主人公ヘルボーイとも友交深める役だったので演技の幅も広い方なのだと認識。しかもその七三分けの真面目顔は私的にはますます萌え萌えなのであった。ルパートくんは眉根が開いているのが可愛らしい顔である。ちょっとレスリー・チャンを彷彿としてしまうのだわ。

『ヘルボーイ』というタイトルが示すように地獄からの使者である悪魔の姿をした異形のヒーロー・ヘルボーイ(ロン・パールマン )全身真っ赤な為「レッド」と呼ばれその額にあるはずの角が根元からぼっきりとおられまるで切り株のような痕が残る。悪魔というより日本の赤鬼の如き形態だ。髪型もなぜか相撲取りをイメージさせるような曲げになっているのが、怪力の証拠なのだろうか。まさしく超人的な破壊力を持つ大男でひくひくと動く尻尾も持っている。
ひと目見てぎょっとする醜悪なキャラクターなのだろうが、その心は厚い義侠心に満ちている。育ての親である博士を「ファーザー」と呼んで敬愛し、同じように異常な能力を持つ美女リズ・シャーマンを一途に愛する心は切ないものがある。自分の見張り役として登場したジョン・マイヤース(ルパート・エヴァンス)とリズが仲良く話しているのを見て嫉妬し、後をつけて邪魔したりその様子を見た9歳の少年から「思い切って打ち明けたがいいよ」とアドヴァイスされるなど悪魔らしからぬ純情ぶりである。ふられた時には「腕の傷より今は心の傷が痛い」と言う繊細さなのだ。
義父博士への深い愛情や怪物にやられそうになる猫を救助したり「悪魔の方が人間よりはるかに愛情深いじゃないの」と思わせるのがおかしい抱腹絶倒の浪花節ドラマなのである。
とにかく見た目は異形だろうが熱い心と純な魂を持つヘルボーイなのである。ボーイと言っても見た目はおっさんなのだが、人間より成長が遅く一応20代をやっと越えたところらしい。男らしくて他の諸々のヒーローの中でも一番素敵なのではなかろうか。

その仲間である半魚人エイブ・サピエン(ダグ・ジョーンズ )ヘルボーイのレッドに対し、ブルーと呼ばれる。過去や未来そして物体を透視し本質を見抜き起きたことを見る能力を持つ。腐った卵が好物で水の中で食べる様子が可愛らしい。
私は初めて半魚人が素敵に見えた。ヘルボーイより彼の方がスマートでかっこいいし、温厚で飄々としたキャラが魅力的である。

エリザベス・シャーマン(セルマ・ブレア )ヘルボーイから愛され彼女自身も彼に好意を持っているのに素直に言えないでいる。
怒りなどの精神状態にはいると体から発火してしまう能力を持つ。幼い時からその能力のためにいじめなどを受けてきた悲しい体験を経てきている。目が印象的な美女で青い火を発火するのがかっこいい。

トレヴァー・ブルーム・ブルッテンホルム教授(ジョン・ハート)経験なカソリック教徒。平和を愛す。悪魔の姿をしたヘルボーイを引き取り息子として育てる。ヘルボーイを心から愛しているのが泣ける。

そしてこういうヒーローものに欠かせない悪役キャラが秀逸。ここでもまたナチスが登場してくるのだが、極悪非情の悪役としてどうしてもナチスは必要なキャラクターの一つになってしまっているわけである(悪魔の方は日本人(相撲取り)みたいなわけで?)
世界征服のためにナチスが悪魔と取引しているというのは当然の図式にも思えるのだろう。
ナチス将校であるクロエネンは日本の子供向けヒーロー戦隊ものみたいな造形である上に、刃物トンファーの使い手でそのマスクを取ると目蓋も唇もないという過激な状態。1800年代の生まれで血液はすでに干からび粉になっている。心臓部分に鍵を差し込んで動いている。自分の義手を修理したりする。このクロエネンがかっこいい。
そのクロエネンを動かしているのがロシアのラスプーチンという組み合わせ。ドイツとロシアというのは最も悪役のイメージなのだ。そしていたるところに日本的イメージが使われている。

悪魔の姿をしたヘルボーイと人間の姿ではあるラスプーチン。だが何を選択するか、どう生きるかで悪魔にでも神にでもなれる、ということで物語りは幕を閉じる。

想いを通じたヘルボーイとリズのキスシーンが青く燃え上がって美しい。これはマイヤースが相手ではできまい。二人こそが結ばれる相手ということなのだろう。

ところでここに登場してくる怪物にサマエルが韓国映画『グエムル』に形態といい動きといい、よく似ている(名前も似ている)
『グエムル』が日本公開された時、日本アニメのパクリだとか言われて話題になったが私自身はそのアニメを知らなかったのでなんともいえないが(一応ネットで絵は見たがよくわからず)このサマエルのほうがグエムルに似てるのでは、と思ってしまった。とはいえ、『グエムル』の面白さの価値には自分的には何の支障もないが。

監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:ロン・パールマン ジョン・ハート セルマ・ブレア ルパート・エヴァンス カレル・ローデン
2004年アメリカ

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↑この映画のじゃない、と思うがルパート・エヴァンス

追記:主人公のヘルボーイは物凄いメイクのために無論誰か判ってなかったのだがあの『薔薇の名前』で奇怪な顔立ちの僧、あの方だったのだ。今日気がついた。ジャン・ジャック・アノー監督も彼について大絶賛だったのだが(「彼のように素晴らしくて大好きな役者はいない。何度でも一緒に仕事をしたい」と繰り返していた)デル・トロ監督も同じ気持ちらしく別の役者を使いたいと言った製作会社を押し切っての起用だったらしい。確かにこの存在感、感心してあまりある。
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posted by フェイユイ at 21:47| Comment(0) | TrackBack(1) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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