

CASANOVA
観てなかったヒース・レジャーのDVDの中で一番気になっていたのがこれ。
というのも真面目で一途で純粋なイメージのあるヒースが稀代の女たらしを演じるというのだから一体どんな変身ぶりなのか。あの純朴な眼差しが妖しくも嫌らしいスケベな目に変われるのだろうか。
とあまりのことに想像も及ばずいぶかしんでいたわけである。
蓋を開けてみたら、なるほど確かにモテモテのプレイボーイという設定ではあるが悪魔のような甘い言葉と眼差しで女を次々と餌食にしていく、という過程は簡略化され、星の数ほどの女を手玉にとったカサノバが一人の女性に夢中になってからの物語となっているので正味ヒースが演じているのは「一人の女性に一途に想いを寄せる青年」である。
しかも「カサノバ」の看板を別の男(恋人の弟なのだが)に引渡し自分はその恋人と仲良く暮らしていく真面目な男になって余生を送るのだからカサノバのカサノバらしい放蕩ぶりはあまり楽しむ事はできないのである。
その上でもヒースがカサノバ役にぴたりとはまっているのか、と言われれば私としてはどう贔屓目に見てもヒースが女殺しに見えないのである。
尚且つカサノバは男とも寝ていて女装癖があり天才的な頭脳をあわせ持っていたという男である。素朴な雰囲気が持ち味のヒースがそういうキャラクターに変身しきれているとは見えなかった。
むしろ作品中で剣の手さばきを見せるシーン、馬に乗るシーンなどに
ぞくりとするような色気があってちょっとお辞儀をするような動きでもはっとするようなかっこよさがある。そちらのヒースのほうに思わず魅せられたわたしである。
などとゴタクを並べたがこの物語は特に「カサノバ」の伝記というようなものを目指しているわけでもなく、恋愛を題材にしたドタバタロマンチックコメディという軽くて楽しい作品なのでカサノバがどうだとか、ヒースがカサノバに見えるか、などということで目くじらを立てるのはいただけないことだろう。
これはそんな追求をするのではなくふふふと笑いながら楽しんで観るのが一番なのである。
最後は大団円とも言えるハッピーエンドになるわけで18世紀ヴェネツィアの風俗・景色を眺めながらシェークスピア劇のような物語を楽しむに限る。
何と言ってもディズニー作品なのであるし。
悪役ジェレミー・アイアンズはさすがの貫禄。やっぱり喜劇にはこういう悪役が必要なのだなあ。
監督:ラッセ・ハルストレム 出演:ヒース・レジャー シエナ・ミラー ジェレミー・アイアンズ オリバー・プラット レナ・オリン
2006年アメリカ
個人的感想としてはシエナ・ミラー・女優として綺麗だが印象薄し。太っちょのオリバー・プラット・愛らしい。二代目?彼・カワイイ。〜んなところでしょうか^^;
この作品でのヒースの容姿(主に姿態)のかっこよさを挙げだすときりがないのですが、不思議と私は再見する気にはならなかった。作話が浅いせいか・・^^;
敢えてぼやかせて頂くと、、ヒースは大地の匂いのするような感じの人であるから。。実はあまり作りこんだ装飾的?“衣装”のようなものは似合わない気がするのです。素(もと)がいいので、『ブラザーズ・』『カサノバ』の古典衣装、『ロードオブ・』の作りこみ過ぎたものや『サハラ・』での軍服姿よりも、人間くささを感じる『チョコレート』の看守姿、『悪霊喰』の神父姿、『BBM』のカウボーイ姿、『キャンディ』の現代青年・・・そういった人間の姿を借りた時において、えもいわれぬリアリティを醸し出してくれるのではないか・・そんな風に思います。。
ただヒース自身がやはり色んなタイプの役に挑戦したい役者だったということですよね。『カサノバ』はその最たるものという気がします。
だからこそこれからどんな役を演じてくれたのか、と思ってしまうのですが。
「ジョーカー」役が原因じゃないのか、という説はヒースのそんな役者魂を思わせてまた辛くなりますね。
観ながらなんだか泣けてきました(もちろん
ストーリーで泣いたわけではありません)
ヒース・レジャーのアマデウスもいいかも?
って思ったり。
なんかいつもずれたことばかり書いてすみませんです。
とことん追求していたと思います。
この前TVでヒースのジョーカー見たら悲しかったです。
やっぱり入り込んでしまったのかなあ。