映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年03月26日

『セクシーボイスアンドロボ』voice7 ハンバーグさん

放送中止となったVoice 7である。
ファミレス立てこもりという題材が現実に起きた事件を想起させるという理由らしい。
リアルタイムで観ていたわけではないので、特別な思いはないが(つまり「観れなかったものがやっと観れる〜」だとか)本作はその原因を別にしてもそれほど上手い出来栄えではなかったな、というのが正直な感想。

立てこもり事件を扱ったものといえば『狼たちの午後』を筆頭に数え切れないほどの映像作品がある。
特定の密室で幾人かの人情劇が生死の際で告白されていく物語は低予算でしかも面白く出来上がる題材の一つだろう。
一人の犯人が幾人かの生死の鍵を握り、恐怖を味あわせ、それまでの人生を思い起こさせる。
やがて緊迫した時間を共に過ごすうちに犯人と被害者の間に奇妙な連帯感が生まれてしまうストックホルム症候群というのも有名である。

これの場合は犯人がそのつもりでもないのに立てこもり犯になってしまう経緯が安直すぎるし、例え、安直でも人間を死への恐怖に追いやった犯人に対して最初から全員が甘すぎるのが面白さをなくしてしまっている。
ロボとニコとその家族の人の良さがすでに認識済みなのでしょうがないとはいえ、恐怖と笑いが隣り合わせにあるところがこういうドラマの醍醐味なので最初から笑いだけではスパイスが効いていないではないか。

まあ、放送中止でがっくりしてDVDを期待して観た方は気の毒である。こういうのがお好きなら問題はないが。

さすがの松ケンもいつもの熱っぽさが不足しているように感じられるのは気のせいか。この脚本では力のいれようがない。
ニコちゃんもいつもの説得があやふやだったようだ。

加えて冒頭のいじめられっ子の話はどうつながっていくのか。これでは「いじめられっ子という弱い奴はこういう立てこもり男になってしまうよ」と言わんばかりではないか。
そう決め付けられてもな。
立てこもり男の気持ちは本物だった、とニコに言わせているがそれも疑問。
それに本物だったから犯罪も許されるわけではない。
私はこういう拘束をされるのは絶対にいやだ。

他にない酷い出来で日の目を観ない方がよかったのか。が、その為に異常な期待をしてなんとかして観たらこれだった。ていうよりはいいか。
こんな話にゲスト出演のモロ師岡さんが気の毒だ。いい脚本ならいい味だったはずなのに。

この脚本担当の山岡真介さんという方はvoice4「かんにん袋」も後味悪くかったな、と思う。残念。

ラスト、みんなで犯人を窓際で見送っている場面、松ケンだけが窓ガラスが息で白くなるほど近づいていた。
ほんとはこうならないほうが美的にいいのかもしれないがなんとなくこの一場面でも松ケンのひたむきさを感じてしまうのだった。



ラベル:松山ケンイチ
posted by フェイユイ at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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