映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年04月14日

『陸軍残虐物語』佐藤純彌

陸軍残虐物語.jpg

松山ケンイチお気に入り映画作品第3弾。

冒頭しばらくそのタイトルどおり日本陸軍のイメージそのものの展開に些か辟易し、何度も観るのを止めようかと思ったのだが、暫くするうちに「戦争歴史もの、として見るからうんざりするが、現代が舞台としてもそうかまわないある特定の組織の中のミステリー&サイコホラーとして観ればよいか」と思ったらなかなか面白く思えてきた。ま、この観方が正しいかどうかは別として。

だからしてこれが、かの戦争を批判した映画ということでなくこういった組織特に「国のため」などという高邁な(と思われる)目的を持った集合の中では、往々にしてこのような状況が生まれてくるものだろう。
そこまで強力な思想でなくても学校・会社でも似たような利害関係・力関係から人間同士の歪みは生じてくるのだから。
スタンリー・キューブリック『フルメタルジャケット』の映画のはるか以前に軍隊内での狂気を描いているわけだ。あちらの面白さはその狂気を笑いで表現しているところだが。
微笑みデブとジョーカーの関係と本作の犬丸と鈴木の関係がなんとなく似ているのが面白いがこういった映画でこうした力関係の二人組みが登場するのは当然のことかもしれない。
てことはハートマン軍曹が亀岡班長になるわけだがまだしもハートマンの方が人情的に思えるな。

先日観た『ルナシー』の狂気はファンタジーであったが、本作では生真面目な現実として狂気が表現される。
はっきり言って登場人物のすべての言動が狂っているとしか思えないのだが、それが戦争という状態において生まれているのだ。
その恐ろしさは『ルナシー』どころではない。

絶対にこの映画が好きとは思わないし、もう観たくもない。ちょうど犬丸と鈴木が入らせられた便槽の中にもう一度入るか、と問われるが如くだ。
それと同じような嫌悪感で吐き気がするような映画である。苦痛と汚臭に満ちている。
そこに観る価値はある、と私は思う。

三國連太郎、中村嘉葎雄 、西村晃のぞっとするような演技であった。

便槽の中、という映像をフルーツ・チャン『トイレ、どこですか?』以来見た。あれも凄かったが。

ケンイチ氏が好きな映画にあげていたから観たけど、これも相当身震いするものだった。
監督が『男たちの大和』佐藤純弥ということでの鑑賞だったのだろうが、これも好きとは言いにくいなあ。でも激しく面白かった。

監督:佐藤純彌 出演:三國連太郎 江原真二郎 中村嘉葎雄 西村晃 岩崎加根子 大村文武 中山昭二
1963年日本



ラベル:松山ケンイチ
posted by フェイユイ at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。