映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年09月16日

福岡国際映画祭『サイアム・スクエア』

サイアム・スクエア.jpg

アジアフォーカス福岡国際映画祭

行きたい気持ちはあれどやはり行けない(涙)

『サイアム・スクエア』2007年/タイ/158分
監督:チューキアット・サックウィーラクン
出演者:マリオー・マウロー
【チューキアット・サックウィーラクン 監督】
 トンなのかミウなのかよく聞かれます。これに答えると映画のロマンティックさを損ねる危険性がありますが、二人共です。僕自身ミュージシャンだったこと、病人の居る家庭だったこと等。両親が愛し合う姿にはいつか終わりがあるのか、という疑問も持っていました。男の子同士の恋愛が出てきますが、この映画で僕が試したかったのは、それぞれ辛い過去を過ごした男の友達同士が再会し愛が芽生える事が本当にありえるのか、片想いの相手の幸せの為に身を引く愛というものが本当にありえるのかといった、多様な愛の形でした。

ああまた忍耐の日々が。
posted by フェイユイ at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 東南アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月07日

『曼谷愛情故事 Bangkok Love Story 』ポット・アーノン

BKK_lovestory.jpgバンコクラブストーリー.jpg
Bangkok Love Story

やっとやっとついに観た。長かったなあ、観ることができるまで。
動画でとうの昔に観れたのだが、寄る年波のせいか動画画面を観るのが辛くてDVDになるのを待っていたわけである。

DVDだとこれが綺麗な映像なのだ。ストーリーは外国語がわからなくても結構伝わってくるほどのもので(大体台詞も少なくて映像で見せる感じなのだ)しかも物凄いメロドラマで気恥ずかしくなるほどだが、私としてはそれで充分楽しめた。
難しく考えさせると言うようなものではなく「ゲイを表現したプロモーションビデオ」と言ったら怒られるだろうか。でも先日観た『百色眼鏡』より遥かに「その世界」を表現するために様々なイメージを紡ぎ合わせて見せてくれた、という気がする。
主役の二人とも結構好みで(わりと片方は好みなのにもう一人はどうも、というパターンが多いのだが)二人とも申し分ない筋肉質で男っぽい顔立ちなのが嬉しい。こういう場合私はまず短髪君が好きになるのだが、今回は長髪君が意外にも可愛らしいではないかと思ってしまった。
無論襲われるのが短髪君のほうというのはもう当然のことなわけでこれも正解だし、短髪君のほうがややリッチな生活をしてるのに対し、長髪君がスラムな生活なのももうこれはPVの為の設定としかいえないからね。二人が愛し合うのもリッチな部屋ではなくどうなってるんだかわかなないが四方を高層ビルに囲まれた小汚いビルの屋上でなんだか水浸しだし四方から見られるのもお構いなしに(シャレではない)いきなりキスしたり抱き合ったり観てるこっちがおどおどしちゃうじゃんかよー。
さすがにメイクラブシーンは室内だったのでほっとしました。
とにかく長髪君が殺し屋なのもやたらと発砲シーンが出てくるのも男らしさを演出する為のものなのである。いつ殺されるか判らない、そういう危険性が男達の愛を激しくしちゃうんである。
ホンダのバイクにタンデムするのも鼻血ものだし、逃走シーンで二人が手錠で結ばれているのも『網走番外地』で健さんが手錠で結ばれた相棒に襲われてしまうという驚くべき場面を彷彿とさせられてしまうではないか。
陰影の濃い映像、雲が低く垂れ込めたどんよりとした空あるいは激しく降る雨の下でとあるビルの屋上にある狭い廃墟のような部屋。
突然激しく愛し合った後、突然短髪君を追い出す長髪君。
短髪君はもう彼のことを忘れることはできない。婚約者の彼女の涙ももう彼の心を取り戻すことはできない(もともとそういう素地があったことを後で知る)
避けるように逃げ回る長髪君を思う短髪君の一途な愛が切ない。(この逃げる部分もより切なさと純愛とその後の愛の場面を効果的に見せるわけですな)
そして再会の場面。屋上のキスも全世界に見られているようで恥ずかしかったがこの再会の抱擁も人目憚らぬ往来でしっかり母と弟と婚約者に見られてるではないか。もー。
噛み付くようなキス道路をごろごろしちゃうんだもんな。

そして長髪君が組織のボスたちを殺しに行くとこ。なんだかまた短髪君とすれ違っちゃって。
短髪君はボスの奥さん(?)に撃たれるし、長髪君は警察に捕まるし、で嫌な展開かと思ったら短髪君は目が見えなくなったけど生きていて、刑務所にいる長髪君の面会に行ったりして、「愛してる」なんて言って手を握り合ったりしてあーよかった、長髪君の出所だ。二人とも年をとったけどこれでやっと幸せになれるよーと泣いてたら、なんというラスト。
もう最後の最後まで引っ張るね。やはり涙を見たいんだなあ。雨の中で愛しい人を抱く姿。『ニエズ』か。
屋上の抱擁は『ブエノスアイレス』みたいだし、色んな要素が込められてるのだ。
悲しい話だけどつまりこれはゲイのラブストーリーをかっこよく見せる為のものだから、「あーエロかった」と堪能すればいいのだろ。
二人の男もすんごい可愛いし、舞台設定ももろに好みだし、ちょいと見せ場で音楽がしつこく流れるのは赤面だけど長い間待ったかいはあったなあ。とても好きな作品でありました。

監督: Poj Arnon 出演:Rattaballung Toesawat Chaiwat Tongsang
2007年タイ
ラベル:同性愛
posted by フェイユイ at 00:45| Comment(8) | TrackBack(0) | 東南アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月13日

Bangkok Love Story (DVD) 台湾バージョン!!Go! Go! G-Boysも

Bangkok Love Story.jpg


Bangkok Love Story (DVD) (Taiwan Version)

が発売されてました。リージョン3です。英文中文付。

それとこれは前から出てたけど
『Go! Go! G-Boys 』
久々にここから買ってみようかなーと思ったり。

gogo.jpg
ラベル:同性愛
posted by フェイユイ at 16:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 東南アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月28日

『曼谷愛情故事 Bangkok Love Story』

バンコック5.jpgバンコック6.jpg

Bangkok Love Story (US Version)
2008年8月26日発売予定となってますが、字幕がついてないような。英字幕欲しいですねー。

ネット動画で見れますがDVDで落ち着いてみたいのですがね〜。まだ日がありますし、違うパターンで出てくれないでしょうか。
ラベル:同性愛
posted by フェイユイ at 14:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 東南アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月23日

ずっと観たかった『曼谷愛情故事』Bangkok Love Story

『曼谷愛情故事』Bangkok Love Story2.jpg『曼谷愛情故事』Bangkok Love Story.jpg

以前、石公さんのブログ『夜目、遠目、幕の内』で紹介されてからずっと気になっていたタイのゲイ・ムービー『曼谷愛情故事』(Bangkok Love Story)
今回また香港・台湾で公開されたことを記事にされていたのですが、動画でも見れるということで私も観てみたいです(何しろ、今の私はちょっと松ケン狂乱という異常事態なのでいつになるか解らないのですが、どちらの欲望が強いか、です)

無論言葉はわからないでしょうから、その辺は石公さんの紹介文を頼りにして、なんとか観てみましょうか。
公式サイトを見てもこれは見逃したくはないですよねー。

例えばこういうとこでしょうか。まだ私は観てないので確かではないですが→Bangkok Love Story

さらにこちらとか→『曼谷愛情故事』
ラベル:同性愛
posted by フェイユイ at 14:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 東南アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月18日

『インビジブル・ウェーブ』ペンエーグ・ラッタナルアーン

invisible-vcd-hk.jpgInvisible Waves.jpgインビジブルウェーブ.jpg
Invisible Waves

とても不思議な味わいのある映画でクリストファー・ドイルの映像とも相まって楽しめた。

粗筋だけを言ってしまえば不倫と殺人と復讐でさほど面白みもない気がするが、なぜか展開は思ったとおりにはいかなくて妙な具合にばかりなっていく。
香港でボスの妻と不倫関係にありながら殺害命令を受け、タイ・プーケットへ逃亡する日本人キョウジ。タイへ向かう船の自室が情けなく酷くて灯りは点いたり消えたり、シャワーから突然水が噴射したり、それまでが思い切りシリアスだったのでおかしくて噴出してしまった。演じている浅野忠信はいつもどおり力の抜け切った自然な演技で一体演技なのか地なのか判らないくらいである。ここまで力の抜けた話し方をする人もあまりいない気がする。
部屋は轟音が響くので耳栓が絶対不可欠。空気孔からはもうもうと煙が入ってくる。しかも中にいるのに何者かに部屋の鍵をかけられ外に出られなくなってしまう。
すべてが淡々と静かに進んでいくのだが、一体何なのか、誰の仕業なのか判らない。

謎の坊さんに香港人エリック・ツァン、旅の途中で出会う赤ん坊連れの若い女性に韓国人カン・へギョン。タイで助っ人として現れる日本人に光石研という多国籍映画。

浅野の独特のおかし味のある演技と光石研のうるさいけどなんだか悲しさがある佇まいを楽しむ。
同監督の『地球で最後のふたり』でも主人公の男(浅野忠信)は自殺志願であったのだが、本作でも主人公は最後に「本当に死ぬべきはどちらか」と考え自らの死を許容してしまうのだ。
正直そういう考え方は素直に頷けないのだが、仏教的自己犠牲がこういう形で表現されているのかもしれない。

そういえば昨日記事を書いたガス・ヴァン・サント『ラストデイズ』とイメージとしては殆ど同じ映画である。
ここでも主人公は生きていても死んでいるようなものであった。ずっと顔色が悪く人との会話がうまくいっていない。なぜかぼんやりとした意識のまま延々と彷徨い続ける。片方は川へ入り、こちらは海である。ここでも死を目前にした水の儀式があるわけだ。一体何故死の前には水にはいるんだろう?
死を前にしても「生きていたい」という渇望がない。
期せずして同じテーマの映画を続けて観てしまったようだ。好きではない、などと言いながらやはり自分はどこか「死」というものを考えたいという気持ちがあるからなんだろう。
本作は『ラストデイズ』よりユーモアもアクションもあるのだが(『ラストデイズ』も結構おかしかったけど)物語性がいくらかこちらがあるので主人公への悲しさもより伝わりやすいのではないだろうか。
奇妙に面白い体験であった。

監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン 撮影:クリストファー・ドイル 出演:浅野忠信 カン・ヘジョン エリック・ツァン 光石研 マリア・コルデーロ
2006年 / タイ/オランダ/香港/韓国



ラベル:
posted by フェイユイ at 22:58| Comment(3) | TrackBack(0) | 東南アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月22日

「地球で最後のふたり」ペンエーグ・ラッタナルアーン

ふたり.jpgふたりa.jpg二人.jpg

時間がゆっくりと流れているようなどこからどこに繋がっているのか判らなくなるような物語で好きです。
もしかしたら全部が最後のシーンでケンジ(浅野忠信)が思い描いた妄想だったのでは、とも思える。

潔癖症の自殺志願者とかいう設定って大概嫌いなんだけどここではとてもよかった。それは見知らぬ関係でありながら突然一緒に暮らし始めるノイ(シニター・ブンヤサック)の部屋が怖ろしいごみため状態でケンジがそこを片付け始めるのが結構気持ちよい。
舞台はタイ。ふたりはそれぞれの兄と妹を失ったばかり、という共通点はあるが日本人とタイ人で互いの言葉はカタコト。どうにか英語で意思を通じ合う。従って台詞はかんたんな言葉にならざるを得ない。
そういう感覚もいいなと思ってしまう。
静かな時間。なぜかふたりは映画のお決まりどおりにキスしたりベッドインしたりすることもない。それはケンジのせいではあるのだけど。ノイは結構その気になってるのだけどね。
タイで流行っているのか、ノイの妹が勤める性風俗の店のセーラー服をノイが着ているのがおかしい。
ケンジがなぜここにいるのか判らないがケンジの兄は大阪の暴力団に属していて組長の怒りをかって逃げてきている。ケンジの背中にもびっしりと刺青が施されているのだ。なにかワケがあるのかもしれない。
その組の者に竹内力や三池崇史監督が出演しているのがちょっとした楽しみ。
ノイのしつこい恋人(?)的な男。ノイに男がいると聞いて飛び込んでくるかと思ったら、なかなか来ないし、やっと来てもケンジに軽く殴られて即退散。ヤクザの弟だからもともと強いのか、やはり夢想なのか。

タイの気だるく暑い雰囲気をクリストファー・ドイルが美しい映像で魅せてくれる。(汚い部屋が美しいのだ)
浅野のクールな表情はとても好きだ。

監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン  出演:浅野忠信、シニター・ブンヤサック 、ライラ・プンヤサック 、松重豊 、竹内力 、三池崇史
2003年タイ

posted by フェイユイ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東南アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする