

Bangkok Love Story
やっとやっとついに観た。長かったなあ、観ることができるまで。
動画でとうの昔に観れたのだが、寄る年波のせいか動画画面を観るのが辛くてDVDになるのを待っていたわけである。
DVDだとこれが綺麗な映像なのだ。ストーリーは外国語がわからなくても結構伝わってくるほどのもので(大体台詞も少なくて映像で見せる感じなのだ)しかも物凄いメロドラマで気恥ずかしくなるほどだが、私としてはそれで充分楽しめた。
難しく考えさせると言うようなものではなく「ゲイを表現したプロモーションビデオ」と言ったら怒られるだろうか。でも先日観た『百色眼鏡』より遥かに「その世界」を表現するために様々なイメージを紡ぎ合わせて見せてくれた、という気がする。
主役の二人とも結構好みで(わりと片方は好みなのにもう一人はどうも、というパターンが多いのだが)二人とも申し分ない筋肉質で男っぽい顔立ちなのが嬉しい。こういう場合私はまず短髪君が好きになるのだが、今回は長髪君が意外にも可愛らしいではないかと思ってしまった。
無論襲われるのが短髪君のほうというのはもう当然のことなわけでこれも正解だし、短髪君のほうがややリッチな生活をしてるのに対し、長髪君がスラムな生活なのももうこれはPVの為の設定としかいえないからね。二人が愛し合うのもリッチな部屋ではなくどうなってるんだかわかなないが四方を高層ビルに囲まれた小汚いビルの屋上でなんだか水浸しだし四方から見られるのもお構いなしに(シャレではない)いきなりキスしたり抱き合ったり観てるこっちがおどおどしちゃうじゃんかよー。
さすがにメイクラブシーンは室内だったのでほっとしました。
とにかく長髪君が殺し屋なのもやたらと発砲シーンが出てくるのも男らしさを演出する為のものなのである。いつ殺されるか判らない、そういう危険性が男達の愛を激しくしちゃうんである。
ホンダのバイクにタンデムするのも鼻血ものだし、逃走シーンで二人が手錠で結ばれているのも『網走番外地』で健さんが手錠で結ばれた相棒に襲われてしまうという驚くべき場面を彷彿とさせられてしまうではないか。
陰影の濃い映像、雲が低く垂れ込めたどんよりとした空あるいは激しく降る雨の下でとあるビルの屋上にある狭い廃墟のような部屋。
突然激しく愛し合った後、突然短髪君を追い出す長髪君。
短髪君はもう彼のことを忘れることはできない。婚約者の彼女の涙ももう彼の心を取り戻すことはできない(もともとそういう素地があったことを後で知る)
避けるように逃げ回る長髪君を思う短髪君の一途な愛が切ない。(この逃げる部分もより切なさと純愛とその後の愛の場面を効果的に見せるわけですな)
そして再会の場面。屋上のキスも全世界に見られているようで恥ずかしかったがこの再会の抱擁も人目憚らぬ往来でしっかり母と弟と婚約者に見られてるではないか。もー。
噛み付くようなキス道路をごろごろしちゃうんだもんな。
そして長髪君が組織のボスたちを殺しに行くとこ。なんだかまた短髪君とすれ違っちゃって。
短髪君はボスの奥さん(?)に撃たれるし、長髪君は警察に捕まるし、で嫌な展開かと思ったら短髪君は目が見えなくなったけど生きていて、刑務所にいる長髪君の面会に行ったりして、「愛してる」なんて言って手を握り合ったりしてあーよかった、長髪君の出所だ。二人とも年をとったけどこれでやっと幸せになれるよーと泣いてたら、なんというラスト。
もう最後の最後まで引っ張るね。やはり涙を見たいんだなあ。雨の中で愛しい人を抱く姿。『ニエズ』か。
屋上の抱擁は『ブエノスアイレス』みたいだし、色んな要素が込められてるのだ。
悲しい話だけどつまりこれはゲイのラブストーリーをかっこよく見せる為のものだから、「あーエロかった」と堪能すればいいのだろ。
二人の男もすんごい可愛いし、舞台設定ももろに好みだし、ちょいと見せ場で音楽がしつこく流れるのは赤面だけど長い間待ったかいはあったなあ。とても好きな作品でありました。
監督: Poj Arnon 出演:Rattaballung Toesawat Chaiwat Tongsang
2007年タイ
posted by フェイユイ at 00:45|
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