映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年06月06日

「アークエンジェル」ジョン・ジョーンズ

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面白くてぐいぐい引き込まれていった。アメリカ人のケルソー教授(ダニエル・クレイグ)がロシアを舞台にしてスターリンの謎を追っていくという物語だ。
さすがミステリーの国イギリス、そしてBBCドラマ。こんな一見小難しいような素材でよくこんなに面白楽しく作れるものである。
実はこれもミステリーでこれを観た人の多くがこの罠にかかってしまってるようだが、ぐんぐん夢中で観ていって物語も佳境に入った、という40分ほどでなんとクレジットが出てくるではないか。びっくり画面を眺めて「130分映画っていうのに後90分何があるんだ?答えは3部作のドラマであった。
ダニエル・クレイグがアメリカ人なのだが全然アメリカ風を演じていないのがおかしい。あんな発音するアメリカ人っているのかな。おまけに観るだに凍てつく寒さではないかと思うのにスーツだけでいるし。ロシア人ですらもう少し着込んでいた。どんな強靭な体かと思っていたら途中から一応コートを着用したので安心した。

表紙はダニエルが銃を構えていたりしてアクション物を想像させるが実態は徹底した謎解きの面白さである。且つ舞台がロシアのためか独特の悲哀があってミステリーを彩っている。
歴史学者でスターリン研究に没頭しているケルソー教授はロシアで謎の老人から「本当のスターリンをお前は知らない」などといわれる。
スターリン専門家の学者としては聞き捨てならぬ台詞である。これですっかりケルソーは危ない道に引きずりこまれてしまうのだ。
老人は若かりし時、スターリンの死亡現場に居合わせ、側近であったベリヤ氏の命令でスターリンの秘密のノートを地中に埋めたのだった(ぞくぞくするでしょ)
その後、老人は何者かに殺され、帰国を余儀なくされたケルソーだったが、老人の娘ジニーダに引き止められ再びスターリンの秘密に近づくことになる。
秘密のノートを読むためにも現地人と駆け引きするにもロシア人の仲間がいたほうが手っ取り早いし、男ばかりより女性が参加した方が華やぐということでジニーダが登場してくるのはなかなかうまい。学生なのだが金儲けの方法として売春をしているというのはロシアの現状なのかどうかわからないがこの金が後で役に立ってくるのだからこの設定にせざるを得ないんだろう。とはいえBBCなのでアメリカものみたいな扇情的場面はなし。ケルソーとジニーダの関係もしかり。しかもジニーダなかなか強面で観てて面白い。
そのジニーダと対照的なのが、そのスターリンの秘密のノートの記述者の少女・アンナである。タイトルのアークエンジェルとはアンナの故郷の村の名前であった。
そして謎はそのアークエンジェルに潜んでいるのである。

金色の髪で無垢な少女という印象のアンナは揺るぎない共産主義者の一員として片田舎からスターリンのいるモスクワへと召喚される。
表向きは党のパレードに関連する任務。だがその実態はスターリンの子供を産むための母体を必要としたからなのだった。

共産主義を証明するためスターリンの前で踊らされるアンナ。ノートの記述がそこで終わっている為によりその後の彼女が体験した事の恐ろしさが迫ってくる。求められたのは母体だけであって彼女は出産後すぐに殺されているのだ。

そしてスターリン亡き現在彼の血を受け継ぐ息子が再びスターリン時代を再現せんとしてアークエンジェルの森の中に潜んでいるのだった。

一体この物語がどうして生まれたのか、なんの根拠があるのかないのか判らないがロシアの現実を知らず遠くから眺めている分にはこういうことはあるのかもしれない、とぞわぞわするのである。
しかしスターリンの子孫が出てこなくても何かと恐怖を感じさせるプーチン政権自体も怪しげである。
ドラマ中ダニエル=ケルソーが「寿司」と言う言葉を何度か口にするのだが、その度にイギリスに亡命したロシア人で放射性物質を食事に混入され死亡した事件が寿司バーだったというのが思い出されてしまう。多数のジャーナリスト死亡・行方不明というのもよく判らないし、ソ連崩壊で自由な社会になるのかと思いきやますます混迷している状況からこのドラマが単なる想像ではないのかと感じてしまうではないか。
まあ全く無知蒙昧の身でロシアの政治情勢を語ることはできまいし、ここでは単純にこのドラマの歴史ミステリーが非常に面白くて見ごたえがあったことと教授役のダニエル・クレイグが今まで観た中でも特に似合っていると思えたことを記しておこう。

監督:ジョン・ジョーンズ 出演:ダニエル・クレイグ、エカテリーナ・レドニコワ、ガブリエル・マクト、レフ・プリグノフ、コンスタンチン・ラヴロネンコ、クローディア・ハリソン
2005年イギリス・ドラマ

劇中、スターリン息子に脅されアメリカ人記者とダニエルがダンスする場面がある。つまりスターリンが側近の忠誠を量るためダンスをさせた前振りがあるからだが、ここでダニエルさりげなく女役であった。手の位置がね。うにゃうにゃ。


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2007年06月03日

「バトルライン Vol.2」ビル・アンダーソン

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vol.1に比べ緊張感が増したvol.2である。だが依然として内容は戦争そのものをシニカルに笑っている、といった見方に徹している。
ダニエル・クレイグ=ガイ・クラウチバックが年齢は結構いってるとはいえ多くを知り変わっていく過程が興味深い。

軍に忠実であり人を殺すことで英雄となるのが軍人である。だが忠実であることで死を選ぶのは馬鹿げているとアイヴァーは一人脱出を図る。結果、捕虜となりクレタ島に残った奇襲隊たちはドイツ軍の攻撃を受けて全滅。
クラウチバックとルードヴィク他数名は攻撃直前に舟で島を離れるが水も食料もなく漂い、クラウチバックは意識も朦朧としてしまう。そんな中ルードヴィクは仲間を(多分殺して)舟から捨ててしまう。が、クラウチバックの命は取らず上陸した後、病院へと運ぶのであった。
回復したクラウチバックはアイヴァーが逃れたのを喜ぶと同時に一人逃亡した事を言い逃れしていることに愕然とする。
隊を離れるな、という命令が降りたことをクラウチバックはノートに書き記していたが、それを燃やしてしまった。
よくある戦争ヒーローものならもっと善悪がはっきりとし、主人公は命がけで仲間を助けたり、助けられなくても仕方がなかったという説明がされたりして盛り上げるものだが、クラウチバックは悪い事はしなくても何だか凄い功績をあげていく、というわけではない。
真直ぐな心を持っているのだが、それだけでは何もできない、という感じである。
アイヴァーがしたことは軍にそむく事だがそうしなければ結局死んでしまっていたのである。
脱走したわけではないが自分たちだけ島を離れたクラウチバックはアイヴァーの不利になる証拠を焼き捨てたのだ。
そしてルードヴィクも様々な手を使って生きながらえた。しかしその代償としてその後彼は怯えながら生活する事になる。だが、自分の体験を小説にしてしっかり稼ぐこともやった。凄いしぶとい人間である。

ガイの元妻ヴァージニアはトリマーとの間の子供を身ごもっていた。だが彼女はしつこいトリマーに嫌気がさしてしまう。
だが妊娠し生活もままならないヴァージニアはガイの父親が亡くなり財産を受け継ぎ金持ちになったと知り、復縁を迫る。
さすがにヴァージニアの身勝手さに憐れを感じてしまうガイだったが、彼女がトリマーの子を妊娠してると知り、却って結婚を決意するのだった。
どこまでいい人なのか、ガイ・クラウチバック。「今まで人の役にたったことがなかった。子供に罪はない。子供を助けられるのは自分だけだ」という言い分。
それにしてもやっぱりガイはヴァージニアが好きだったわけで。トリマーもそうだがヴァージニアと言う女性は男にとってどうしようもない魅力をもっているのだろう、としか言いようがない。

最後の戦記はユーゴスラビアにて。クラウチバックの任務は内務大臣の要求を聞き、英軍が検討するということだった。
制圧を広げていたパルチザンと手を組む為必要物資を供給するのだがその取り次ぎ役としてクラウチバックは向かったのだった。
通訳はパルチザンの男。内務大臣は語気を荒くして様々の要求を突きつけてくる。特に照明がつかないために電気技師を要求した。
そこへイタリアから大勢のユダヤ人らが列車で送られてきた。イタリアの強制収容所に入れられていた彼らがパルチザンによって解放されユーゴスラビアに連れてこられたのだった。
だが英語の話せる一人の女性がイタリアに戻して欲しい、とクラウチバックに願い出た。クラウチバックは引き受けたのだった。
女性はカニーイ夫人と言い、夫は腕のいい電気技師だった。彼は発電所の修理を任された。
クラウチバックは早速英軍にユダヤ人のイタリア送還を要求した。

やがてここにアメリカ軍がくることになる。豊富な物資を持つアメリカ軍がパルチザンに協力すれば情勢が動く、というわけだ。
アメリカ軍が共産主義に協力しないだろうというガイに新しい上官は「ファシズム打倒の為には何でもありだ」と言うのだった。

アメリカ軍の航空機が到着したかと思うや墜落。中からでてきたのは懐かしい准将であった。
ドイツの小要塞を前に准将は「アメリカ軍を喜ばすデモンストレーションだろ。あの時と同じだ。これが前線に出る最後のチャンスだ」と単独、小要塞に突っ込んでいく。
英軍、アメリカ軍、パルチザンが見守る中、アイパッチの准将は銃を片手に岩地を駆け上り小要塞に近づいた。だが無念、准将はその身に敵の銃弾を受け倒れながらも手榴弾を要塞に投げ込み爆破した。
一部始終を見ていたアメリカ軍は感動。しかも英軍の説明で准将はパルチザンということになりアメリカ兵はパルチザンの手を取って感激を示した。ガイは黙っていた。
このドラマのただ一人の勇者、とも言える准将の英雄的活躍のなんと無残で滑稽に見えてしまうことか。
この場面などは絶対に主人公が行う行為であり、クライマックスとなっていいはずなのだ。なのにガイは見てるだけ。
准将の英雄的行為の空しさがブラックな表現で示される。笑ってしまうのだ。

ほぼ任務は完了した。ガイは手紙を受け取った。ヴァージニアが投下された爆弾で亡くなったのだ。
ガイは空しい気持ちでカニーイ夫人と語り合う。カニーイ夫人は「世界中に戦争を望み、必要として戦っている人がいる。人を殺せば勇敢だと考えている」と言う。ガイは自分もそうだった、と告白する。

夫人が望みガイが軍に要求し続けたことでユダヤ人のイタリア帰還が叶う事になった。だがカニーイ夫妻はガイが好意で渡した雑誌などがアメリカのプロパガンダだという理由で反逆罪とみなされ投獄されたのだ。

ガイ・クラウチバックに残されたのはヴァージニアとトリマーの間の子供だけになった。
何も知らず遊んでいる小さな男の子にガイは「お父さんだよ」と話しかける。小さなその子をガイは抱き上げるのだった。

静かに悲しみと怒りと幸せを感じるドラマだった。常に戦う軍人であろうと願い、正しい道を歩んできたガイだが結局彼は何事も達成し得なかったのだ。
仲間を失い、約束を果せず、愛する人も亡くしてしまった。
彼の手元には愛するヴァージニアの子供(自分の子ではないが)だけがいる。彼は生来の生真面目さでその子供を育てていくのだろう。

クレタ島で英軍であるガイがドイツ兵に遭遇してしまう。ガイとっさに撃つことができない。
それでよかったんだと思う。

監督:ビル・アンダーソン 原作:イーブリン・ウォー 出演:ダニエル・クレイグ、ミーガン・ドッズ、リチャード・コイル、ロバート・パフ、アダム・ゴドリー
2001年イギリス


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2007年06月02日

「バトルライン Vol.1」ビル・アンダーソン

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「プライベート・ライアン」とは全然違う上陸だった。それにしても全体にユルイというのか、戦争というのにこんなにのんびりでいいのか?という雰囲気。ダニエル・クレイグはここでもシリアスな外貌のままどこか抜けたでもやっぱり実直なというキャラクターで「Jの悲劇」「レイヤー・ケーキ」とそういうイメージだからこれがダニエルの個性なのだろう。顔は年齢より上に見えるくらいの重厚で冷静な印象を持っていてそれがなんだか頼れるようないまいち安心できないような微妙な立ち位置のキャラクターなんである。
そしてやはり女性にはちょっとついてない感じ。ここでは凄い美人の元妻がいてその美人元妻が男性遍歴が色々とありしかも今でもその元妻を愛しているのだが再会してもなかなかうまく行かない、という情けない状態である。その元妻と別れてからは全く女性関係がない、というカソリックの男を演じたダニエルであった。

時は第二次世界大戦。ガイ・クラウチバックは旧家の子息でありながら軍隊に入って国の為に戦いたいという強い希望を持っていた。
だが志願するには35歳という年齢が邪魔をしてしまう。が、ひょんなことからハルバディアズ連隊への入隊がかなったのである。
だがそこは真面目なガイ以外はなんとも気の抜けた連中の集まりだった。
たまたまその隊がゆるかったのか、イギリス軍というのが皆こういう感じなのか判らないがなんだか立派な軍服を着て格好だけはそれなりだがふざけた軍隊だ。35歳のガイだけが妙に力入ってて見本となってたりして笑える。訓練中も後ろでクリケットなんかしてるし、いいのかこれで。
タイトルと表紙からしてもっと好戦的な内容で撃ちまくるダニエルを見ることになるのかと思ってたら、随分変てこなドラマだったのでほっとするやらおかしいやら。先にも言ったがダニエルは志は御国の為に戦うぞという高邁なのであるが、出陣の際にも元妻のことが気になって電話してるし、襲われてる人を助けようとしては転んで膝を痛めてしまうし、どうにもかっこ悪いのである。だが他がもっとやる気がないせいもあって上から一目置かれたりしている。
同隊で同室のアプソープはやたら荷物の多い男なのだが、その中に携帯便器まであっていよいよ西アフリカへ出陣という時、喜び勇んで隠し置いていた倉庫へ取りに行ったらドカーンと大爆発。犯人は准将であった。
この准将、ガイがやっと出てきた本物のソルジャーコマンドだというだけあってかなりクレイジー。単身敵地へ乗り込んで敵の首を掻いて来ちまう。黒いアイパッチなぞしていていかにも凄腕軍人らしい風貌である。この准将がガイを見込んで次に送り込んだのがX特別奇襲隊。スコットランドのマグ島であった。
X特別奇襲隊隊長がこともあろうに元妻の別夫(今の夫ではない)トミー・ブラックハウスであった。だがガイとこの元妻を同じくするトミーが喧嘩するわけでもないっていうのがまたおかしな話なわけで。この辺やはりイギリス風味なのだな。
X特別奇襲隊でガイは若い貴族出身のアイヴァーや元同じ隊にいたトレバー改めマクタビッシュと出会う。マクタビッシュはキルトを穿いていて勇ましい。「庶民の英雄が欲しい」という軍の要望に当てはまりマクタビッシュは英雄になってしまう。それを見たガイはマクタビッシュに嫉妬してしまうのだった。

次にガイはハウンド少佐と共にドイツ空挺部隊の強襲にさらされたクレタ島へ上陸した。そこで見たのは傷つき支えあっているイギリス軍兵士が群をなして歩いてくる様子であった。

最後に来て突然戦争の生々しさが表現されガイの表情も固いものになっている。
認められてはいるものの大したことはない、と思っていた仲間が英雄視されやや苛立ち気味のガイだが、この後、どうなっていくのだろうか。
元妻はそのマクタビッシュともできてしまい、とんでもない混乱状態であるし。
若い兵士アイヴァーがこの後どう展開していくかも気になるところ。

たとえかっこ悪い兵士役でも(全然悪いわけじゃなくいまいち決まらないのだね)ダニエル・クレイグステキです。
こういう役柄なんだーと確認しているところです。背が高い、と思ってたんですがこの中にいると割りと小柄にすら見える。でも軍服姿は似合いますねー。

監督: ビル・アンダーソン  出演: ダニエル・クレイグ ミーガン ドッズ リチャード・コイル ロバート・パフ アダム・ゴドリー
2001年イギリス
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2007年05月31日

「レイヤー・ケーキ」マシュー・ヴォーン

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前にも何度となく書いたと思うんだけど、私はどうしてもこういう暗黒街みたいな話が嫌いではないつもりなのにすんなり頭に入ってこない。
だもんで「インファナル・アフェア」も随分苦労してやっと理解したという人間なのだが、今回も麻薬ビジネスストーリーということで1度目は苦悩した。というより「007/カジノ・ロワイヤル」を観たばかりなのでダニエル・クレイグ演じる「名なしの男」のキャラクターがいまいち掴めず混乱したのかもしれない。なんだかシリアスにかっこつけていて事実切れ者という設定なのに且つ臆病で銃が苦手でナイスバディガールに弱いというのが上手く消化できなかったのだ。
2度目を観て007が遠ざかり「レイヤーケーキ」のダニエルがよく見えるようになった。
名前がない男(名前を教えない男というべきか)である主人公はビジネスとして麻薬取引を行っているのだが、銃は苦手で暴力は振るわない。冷酷でもないがオチャラケてもいない「普通の男」といったタイプをダニエルが渋く演じているのがわかってきた。

監督のマシュー・ヴォーンは「ミーン・マシーン」「スナッチ」「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 」などのプロデューサーをやってきて本作が初の監督作品ということらしいのだが、前述の映画に比べるとシリアスで固い雰囲気である。
表向きの不動産賃貸業を真面目に勤めながら、裏稼業で麻薬売買も成功し、稼いだ状態で足を洗おうと考える若い男が裏社会の奥に引っ張り込まれたことから次第にヤバいことになっていく。
という話なのだが、私としてはもう少し表の稼業を見せて普段の善良な顔と裏での悪の顔を両方見せて欲しかった気がする。勿論、友達や好きになる女性の比較なども。
そうしてやはり表に戻ろうとした時、バーンと言う結末になる、というほうが判りやすかったと思うのだが、結構評価もされているようなのでこういう語り口が好きな人も多いのだろうか。
ダニエルが好きで観てるのにこう言ってはなんだが、かっこいいダニエルがやるよりもっとかっこ悪い男がやった方がリアルで面白かったような気もするし。普通の若造か、普通のオジサンみたいな人。それじゃ観客は減るだろうけど。
表の顔をもっと出していた方が最後の台詞も決まると思うのだが。

とはいえ、ダニエル・クレイグ目当てで観るならなかなかに見ごたえあるものではあった。
白い布団の中でごろごろしてたり、殺人を犯して苦悩していたり、最後の撃たれて死んでいくダニエルも色っぽくて実によいのだった。
ナイスバディガールともう少しでいいところ、ってとこで悪い奴に浚われてしまうのも、うれしい場面。
スーツ姿もよいけれど、ピッタリしたTシャツがそそるダニエルなのである。
殴られて血だらけの顔で、ジーン、モーティと並んで酒を飲んでる場面もステキ。
相変わらずある青い目のアップとジーンズをはいた引き締まった臀部がたまらなく魅力的なのであった。

ところでジーン役のコルム・ミーニイみたいな顔を見ると凄く愉快になる。

監督:マシュー・ヴォーン 出演:ダニエル・クレイグ 、コルム・ミーニイ 、ケネス・クラナム 、ジョージ・ハリス 、ジェイミー・フォアマン 、シエナ・ミラー
2004年イギリス


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2007年05月25日

「007/カジノ・ロワイヤル 」マーティン・キャンベル

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困ったね。ハートを射抜かれました。
私ときたら、007はピアース・ブロスナンではなく、ショーン・コネリーしか認めないね!というオールドファンなのである。
まあ、テレビで観たものなので思い出す声はコネリーじゃなく若山弦蔵だったりするが。
ショーン・コネリー=ボンドはあの太くてやや下がり気味の眉が男らしくて大人でステキなのであり、常に冷静、ゆとりある紳士なアクションなのであった。次々と現れる美女に対しても精悍且つ鷹揚なのでありその上ユーモアのある軽やかさをもつ大人の魅力を持ち合わせていた。
ロジャー・ムーアで別れを告げ「ネバーセイ・ネバーアゲイン 」で再びコネリーを観て喜んだ後はもう観ていないのだった。一応どのボンド役も顔を見たがその気になれなかった(どの気?)

今回、初の金髪碧眼のジェームズ・ボンドとなったダニエル・クレイグはボンド役を見る前に幾つか作品を観てその魅力は認知していたのでボンド役にも抵抗はなかった。

だがだが、クレイグのボンドはそれどころじゃなかったねー。さすがに今回の007には女性観客が多かった、というのが頷ける。
ブルーの瞳はクールなのになぜかしらん唇がいつも何か言いたげで意味ありげでむずむずするのだ。
金色の短髪もやや太めな感じのする鍛え上げられた肉体も凄く好きなタイプで観初めてこの新しい007に惚れてしまうのに時間はかからなかった。
(コネリーしか知らないので)コネリー=ボンドに比べると落ち着いたゆとり感がなくアクションもせっかちなのだが、それはジェームズ・ボンドの若い頃だという設定だということで何の問題もない。
ガンガン走って頑張ってるのにやたらと失敗してるのも若気の至りということでむしろ可愛く感じてしまうではないか。
美女と目が合うだけでうまくいってしまうのはさすがに007ならではの技。
しかも常にクールであろうとするジェームズがヴェスパーに惚れこんでしまい、シャワー室で泣く彼女を一緒に濡れながら抱きしめる場面(指なめなめ色っぽい)、彼女の裏切りを知ってからも水中に沈む彼女を救おうと我を忘れてがむしゃらに潜っていく様は心かき乱される切なさがあった。

ダニエル・クレイグの007はゲイの方々に大いに賞賛されているということで私はそうではないのでなぜなのかはよく判らないが、そういえば「カジノ・ロワイヤル」はボンドの拷問シーンがホモ・セクシュアルだということで昔話題になっていたのだが、未読なのでその辺もうまく言えない。しかしいきなりジェームズを捕まえて裸にし二人きりになって(なぜ二人きりになる?)拷問していくというのは確かにいやらしい。しかし映画では特にホモセクシュアル、というようにも見えなかったがどこが違うんだろう?
ピアース・ブロスナンはゲイ度0でクレイグは110パーセントらしいが、全くよく判らないものである(というのは嘘で勿論よく判る)

とにかくクレイグ=ボンドが思った以上にセクシーボンバーで粉砕してしまったのだった。大体ヴェスパーって大変な思いを背負って行動しているはずなのにジェームズにタキシードを贈ってそれを身につけた彼を見てるところは楽しげであった。
あの場面はヴェスパーがというよりカメラが正装したジェームズの姿を執拗に映し出しているようななまめかしさがあった。
というか全体にボンドガールの美しさより若いボンドのセックスアピール画面が多いようでその辺りがゲイ的なのかもしれない。

作品自体の評価をまったくしてないが、先にも言ったように冒頭(から少しして)が007としてはバタバタしたアクションの連続のように感じるが、それは若さゆえの暴走なのであろう。
カジノシーンがかなり長いためか144分という作品だが私としては文句ない仕上がりであった。
ショーン・コネリー以来、久し振りに007を堪能できたのも嬉しいことである。
次回作もクレイグ=ボンドが観られるのもまた興奮であるな。

監督:マーティン・キャンベル  出演:ダニエル・クレイグ 、エヴァ・グリーン 、マッツ・ミケルセン 、ジュディ・デンチ 、ジェフリー・ライト 、ジャンカルロ・ジャンニーニ
2006年アメリカ、イギリス、ドイツ、チェコ
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2007年05月18日

「ミュンヘン」スティーブン・スピルバーグ

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イスラエルとパレスチナを公平に描いている、ということを聞いて観たのだが、当然の如くイスラエル側の物語であった。
なのに観客に公平な見方をしていると思わせるのは監督の巧妙な手法なのであろうか。
物語は、ミュンヘン・オリンピックでのパレスチナ人テロリスト「黒い九月」によるイスラエル選手団11人殺害、というのが発端となる。よってイスラエル人のやむにやまれぬパレスチナ・テロリストへの報復、という運びになるわけで何も知らなければうなづいてしまいそうだ。だがユダヤ人がパレスチナに入植していった上イスラエルを建国してしまった、という事実はここで判り易く説明されてはいない。冒頭、パレスチナ人テロリストが何の罪もないイスラエル選手達が殺されまた人質にとられる。そのやり方はいきなり頬に穴を開けてしまうなどいかにも残虐で非道なものである(テロは非道に決まってるが)この残虐さを見ればその後の主人公たちの報復はやむを得ないものとして納得させられてしまうのだ。
パレスチナ人たちは英語を話さない異国の者たちで個々の人格がないのだが報復をしていく主人公たちは英語で会話しそれぞれのキャラクターがある。主人公アブナーには妻子がいてよき夫であり生まれたばかりの赤ん坊を愛している。料理もうまく仲間達に手料理を作って振舞う。楽しげに会食する暗殺者たちは家庭的にすら見える。

一体どうしてこんな事が起きたのか、という詳しい説明はなくかなり駆け足で物語の導入部が描かれる。私などは何がどう起きたのかよく判らないほどだった。
とにかくパレスチナ人がオリンピックに出場する未来ある若者を殺したのだ、残酷に。

ここから突然物語は面白くなってしまう。人を殺したこともない善良なアブナーをリーダーに才能あるユダヤ人が集まり祖国の為に暗殺者チームが結成されるのだ。そのために莫大な資金も提供される。
ヨーロッパを巡りながらパレスチナテロリストを暗殺していく面白さはさすがヒットメーカーの手腕である。持ち味であるコミカルさも加えられ、子供に対する心配りも忘れない。可愛い女の子をばらばらにするのは良心が痛む。
あんまり面白くなりすぎたのか、後半、仲間達が次々と死に暗殺に対する反省が促される。主人公アブナーは狂気に陥るほど苦しむ。仲間を死なせた悲しみ、本当に自分たちが暗殺したのは本人なのか、それは罪ではないのか。
「プライベート・ライアン」でも主人公たちがドイツ軍を殺していく様子が小気味いいほどに描かれていたことに嫌悪感があったのだが、ここでもスピルバーグは暗殺を面白く描いてしまう。
だがそこですかさず主人公の行為への疑問と苦悩を挿入することでバランスをとっていく。
そして最後、度重なる暗殺と仲間の死と失敗の無念の後、アブナーは疲弊しきっている。不安定な精神で妻を抱く。
一方的な性行為のシーンとパレスチナ人によるイスラエル人虐殺のシーンが交互に映し出される。この場面はこれ以上ないほど気持ち悪く、アブナーの表情は醜悪とさえ言える。
このパレスチナの残虐さとアブナーの苦悩を見て再度暗殺がやむを得なかったのだと確認される。
そしてさらにその後アブナーは上官に対し、暗殺の無意味さを訴え、イスラエルへの帰国を拒否する。
結局スピルバーグは面白い活劇を作り、イスラエルに偏りながら、パレスチナにも公平な態度をとったと言われ、自分はアメリカに居るのだと言うことを描いているのだろうか。ただすべての思惑がうまく行ったわけではなく、やはりそこまで欲張りに成功するのは難しいのだろう。結果、なにか煮え切らない、何かを隠しているような、映画に仕上がってしまったのだろう。
同時多発テロで破壊された世界貿易センタービルがラストの場面でCGにより再現されているのもなぜか不気味である。

ところでこの映画を何故観たのか、というとそれは暗殺者チームの一人をダニエル・クレイグが演じていたからなのである。
「プライベート・ライアン」でマット・デイモンがライアンを演じていた為仕方なく観てしまいしかもその姿が魅力的であったので却ってめげたのだが、ここでのクレイグもまた壮絶に色っぽくて参ってしまった。
スピルバーグなので特になにやらクレイグがやらかすわけでもないがちょっと耳打ちしたりする仕草など妙に色っぽさが滲み出る人なのだった。最初の仕事の成功で仲間とダンスするところなどスピルバーグと来たらちらとしか映してくれないんで頭に来たが、結構出番は多いし、最後まで相棒役を続けるので彼目的に観る価値はある。青い目のアップもあり。

もう一つ面白かったのは敵かみかたか謎のフランス人情報屋ルイとパパの存在。すべてのパレスチナテロリスト探しを彼らに任せているのだが、一体何者なのか、不思議な家族であった。
家族の中にこの前「明日へのチケット」の最初の彼女の顔が見えてうれしかった。

なんだったのか、の存在は女殺し屋。男ばかり登場する映画には一人お色気役としての女性が登場するものだが(アブナーの奥様は清楚であるべきなのでこの役は除外)全くもってそのために登場としか見えない。暗殺集団が人間性を失っていく証明としてという言い訳も成り立つがその役にセクシー女殺し屋を使い残酷に殺す。この辺も娯楽作品ならでは、ということなのか。スピルバーグさすが配慮が細かいのである。

監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、マチュー・カソヴィッツ、キーラン・ハインズ
2005年アメリカ
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2006年12月25日

クレイグ、“007”にゲイ・シーンを提案

石公さんの「夜目、遠目、幕の内」の近況報告で紹介されたダニエル・クレイグの記事を読んで一人興奮。この前観た「Jの悲劇」の衝撃シーンにひき続きまたまた驚きました。石公さん、ありがとうございます。いつものことで申し訳ありませんが勝手にこちらでも紹介させていただきます。

「クレイグ、“007”にゲイ・シーンを提案」

なんだかにやけてしまいました。ふっふっふ。
石公さんは「内容の真偽はともかく」と言われてますが、本当に本当だったらうれしいなあ。
クレイグがそう言ったというだけでもうれしいですね。
posted by フェイユイ at 20:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ダニエル・クレイグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月18日

「Jの悲劇」ロジャー・ミッシェル

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ダニエル・クレイグは6代目007に抜擢、と聞いて初めて知った方であります。その「カジノ・ロワイヤル」のために来日宣伝。テレビで拝見し確かに今までのジェームズ・ボンドとはイメージ違う。そして青い瞳がなんとも美しくややはにかんだ感じがとてもキュートでありました。
いつものように劇場へは行けないし、とりあえず以前の映画を鑑賞しようとしてレンタルできたのがこれ。全く内容を知らないまま観始めたのですが、
まさか初のダニエル・クレイグで男性との濃厚なキスシーンがあるとはなー。

のんびり原っぱで大学教授のジョー(ダニエル・クレイグ)と彫刻家のクレアはデート。と、思ったらいきなり気球が子供を乗せたまま浮かび上がったとかでそこにいた数人の男がその気球に飛び掛りナンとか降ろしたのですが突風で再び舞い上がってしまいまだ掴んだままの男達は手を離してしまう。だが気球の籠にはまだ子供は乗ったまま。ただ一人医者の男だけが綱から手を離さずかなりの高度まで上がってしまった。しかしついに男は力尽き手を離し、落ちてしまったのだ。
子供は運よく自力で助かったのだがジョーは一人手を離したことを気に病んでいた。そこへその時一緒だった男から「会いたい」という連絡がはいる。
最初は何気なく対応していたジョーだがその男・ジェッド(リス・アイファンズ)は執拗にジョーを追い掛け回す。そして「君を愛してる」と言い出したのだ。

クールな大学教授のジョーがストーカー男の出現によって次第におかしくなっていく。しかし何と言っても恋人クレアが気の毒である。
結構酷い場面があっけなく出てくる映画でもあった。最後まで気球にしがみついていた医師が落ちたのをジョーたちが見に行くと落ちた衝撃で医師は体がぐしゃぐしゃになっている。クレアがおなかを刺されるシーンも結構痛そうだ(見えてるわけではないが)しかし一番の衝撃はその後のかなりためをとったキスシーンだったけど。
リス・アイファンスも初対面なのでストーカーがリアルであった。
こういうストーカーものってどうしたって気持ち悪く見えるし先が気になるし色んなバージョンで作れそうだ。
にしたって男が男のストーカーって言うのはしかも恋心でっていうのはあまり作らないよな。
なんとなく「恋の方程式 あなたのハートにクリック2 」のフィル氏を思い出しました。あちらはコメディで楽しかったんですけどね。

ジョーとクレアがどうなるのか微妙に終わらせただけでなく、施設に入れられた(つまり死んでなかった?)らしいジェッドのにやりでまだまだジョーの悲劇は終わらないようでありました。

これはやはり愛の物語なんでしょうか?(予告編でそう言ってますが。公式HPには薔薇の花があしらってあったりして意味深だし)

ダニエル・クレイグはメガネをかけたインテリの役っていうのもあってか、まったく007というイメージがわかない。でもそれとは関係なくステキですね。

監督:ロジャー・ミッシェル  出演:ダニエル・クレイグ 、サマンサ・モートン 、リス・エヴァンス 、ビル・ナイ 、スーザン・リンチ 、ジャスティン・サリンジャー
2004年イギリス
posted by フェイユイ at 22:47| Comment(2) | TrackBack(0) | ダニエル・クレイグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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