やっと観れた映画『ハゲタカ』大森南朋目当てでTV版DVDを観てそれまでのナオさんとはまったく違う鷲津を知り、それまでのナオさんも大好きだが他の方と同じように私も眼鏡鷲津に参ってしまったクチなのである。
映画『ハゲタカ』ではTV版の続きというイメージなのが観ていた者には嬉しい限りで金融界に嫌気が刺したらしい鷲津がどっかの海岸でまるでトム・りプリー=アラン・ドロンのように(と浮かぶところが古い人間)ビーチチェアーに寝そべりながら昼間からブランディを(ワインじゃなかったね)飲んでいる。
そんな鷲津のとこへわざわざやって来たのが先輩芝野(ほんとにわざわざ)「腐っているのはお前じゃないのか」という台詞を鷲津にぶつける。
って単にこれ芝野さんのラブコールなんじゃないのか。寂しくなったんだよ、会いたくて。
ほんとは誘って欲しかった鷲津は照れ隠しにブランディグラスを投げ割って再び(芝野さんのいる)金融世界へと舞い戻る。
ぐーたらしてた鷲津は早速昔の仲間を集めて(すっかりみんなそろったのね)彼のトレードマークである銀縁眼鏡をすちゃとかけるともう顔つきは『ハゲタカ』なのであった。
きゃーかっこいい!!!
なんだかワルノリしすぎのようだが、どうせ私こーゆー金融世界とかって真面目に考えられないのだわ。だってさ、物凄く空虚じゃん?作っている人たちもさ、「面白い」と思って作っているんだけど、きっと心の奥ではこの世界の空虚さには気づいていてそれを見せちゃあがっくりするからそこはあえて見ないことにしてあくまでも経済界のカラクリを楽しんでみよう、と思ってると思うのだ。
何だか数字の上げ下げだけで人の命がどうこうなってしまう。そこに入り込んでしまうとそれがどんなに馬鹿馬鹿しいことなのか、判らなくなってしまう。そして抜け出そうとしても抜け出せなくなてしまう。大切なものはそこにはないのに。まるでそれが全てであるかのように浸透してしまうのだ。
作り手がその思いが透けて見えているから結局芝野や鷲津は夢を求めることに涙してしまう。単なるゲーマーじゃいられないのだね。
だもんでこういう映画はただひたすら楽しむに限る。っていうか多分皆さんそう思って観てるはずで変に「大切なのは金じゃないはず」などと生真面目に訴えることはなかろう。
さてさて、大森南朋をはじめTVに引き続き登場人物もあまり変わってはいないのも嬉しい。
ナオさんもよけりゃ、芝野の柴田恭兵、旅館主人の松田龍平どちらも素敵だし、今回登場の遠藤憲一、玉山鉄二もよろしいし、若い高良健吾 そして嶋田久作と美味しい男性がずらりとそろっている本作だが(そんな中の紅一点栗山千明羨ましいねえ)私が凄く好きなのは鷲津の右腕的存在・中延五郎を演じている志賀廣太郎。鷲津の無理な注文にもなんとか答えようとする健気な態度は胸を打つのだ。くーっ。自分より若い鷲津の才能に惚れ込んで仕える献身的な部下、という姿が封建時代、若殿に献身的に仕える家老のようでざわざわしてしまうのだよね。いひひ。
映画製作中折も折、世界の経済界が揺れに揺れ、映画の進行展開が二転三転したという話でスタッフもキャストも大変であったろうが、ぬるい映画ができた後でリーマンショックやら派遣切りなどが話題になる事態にならずによかったのではないだろうか。まあそういう事態が起きたことをよかった、とは言い難いが。
映画自体、ドラマの延長ということもあり、ちょうど時世を映したという即席感も否めないので重厚なドラマ、というような期待はせずにここは時代の波に飲み込まれていく企業戦士たち、金融業界人の姿を見つめてみる、ということにしようか。
とにかく大変な世界なのである。
できるならこんな荒波には飛びこみたくない。
こじんまりと生きていきたいものである。
しっかしドラマの時からだけどホントに恋愛沙汰は完全無視。すごい。
赤いハゲタカこと劉一華がいきなり可愛い顔の守山=高良健吾に接近するので何事かと勘違いしちゃったじゃないか。
TVの時からなんだけど「この後二人はさあ・・・」といちいち勘ぐってしまう私なのである。
だって凄く意味ありげなんだもん。いい男揃いでさ。
監督:大友啓史 出演:大森南朋 玉山鉄二 栗山千明 高良健吾 遠藤憲一 松田龍平 中尾彬 柴田恭兵 嶋田久作 志賀廣太郎
2009年日本





