映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年10月02日

田宮二郎『白い巨塔』<1978年版>第20話

2話までにしとこう、と思いながら結局我慢できず3話目観賞。でも判決を聞かないでいられる?

いきなり結果を書くとどっかで突然誰かの目に触れたりするからまだ書きにくいな。まだかな。

少し間を開けて、と。

もういいか。こんなことしても関係ないかな。

結果。原告の要求は棄却され、財前は無実となった。

うわあ。予想はしてたがこうなるのだねえ。だってダークヒーローだから当然か。
控訴するらしいがどうなるんだろうか。
そして里見助教授は田舎大学に名ばかりの教授となって転任させられることになる。が、彼は大学を辞任した。
妻はあまりのことに泣くばかり。里見の兄も行く先を探すが何しろ大学を追い出される身の上ゆえ他の大学も浪速大学の顔色を見て受け入れは難しいのだと言う。
そこへ登場したのが大河内教授。里見君にぴったりの場所があると言ってがんセンターを推薦。そこでなら今までの研究も続けられると言う。これには里見も細君も兄貴も大喜びで受け入れた。

そしてドラマはなんと1年数カ月後、となり、がんセンターの職員が地方回りでがん検査をしていく様子が映される。
あの里見先生大好き青年も大学を辞めてこちらに来たらしい。何と気持ち悪、もとい、けな気な青年ではないか。
そして浪速大学第一外科教授として活躍する財前の様子。おや。格上げになったはずの柳原君の姿がない。
後ろに続くのは以前の例の面々。しかも財前先生にがみがみ叱られとる。相変わらず社長さんとかには愛想良く接する財前くん。
ケイ子はまだ愛人で相変わらず財前をちくちく苛めている。そして里見先生の名前を出す。
財前は気にしないと言いながらもいない里見の影に怯えてしまう。

裁判編が終わった。見応えある展開だった。柳原はどうなったんだろう。彼のことが一番気になるのだが。

出演:田宮二郎 生田悦子 太地喜和子 島田陽子 中村伸郎 山本學
1978〜1979年日本
ラベル:白い巨塔
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2009年10月01日

田宮二郎『白い巨塔』<1978年版>第18・19話

裁判ってほんとに難しいものなんだと改めて痛感。里見さんや大河内教授の証言があり、あの頼りない柳原君の証言なんぞはきっと逆効果でどう考えたって財前先生の負けじゃと思ってたらいきなり登場の唐木名誉教授。最初は大河内教授と同じタイプの学究肌と聞いて私もやれよかったと思ってたのに話し出したらなんと学者らしい論理展開の上で財前に有利な証言つまり「彼の処置は誤診とは言い難い」ということになってしまった。
しかも聞いてたらなんとなく「そうかもしれんな」と納得してしまうのである。
そうだよな。これドラマだから全部を観通して財前が悪い、とつい思ってしまうけど、本当の裁判のみで証言だけを聞いてたらどう思うのか、よく判らなくなってくる。
判決は次回になったがどう転んでもおかしくはない。

それにしてもやはり一番の緊張は柳原証言だった。
財前からやんやと怒鳴られながら罪隠しの嘘の証言を暗記しできるだけ自然に聞こえるように練習する柳原くん。
知らないものと知っていたと言い、自分自身がきちんとやっていたことをやってなかったと証言し、財前をかばうために自分の落ち度だったと言わなければならない。
里見助教授の証言は正直ではあるがどこまで効力を示すのかは判断し難い。

判るのはこういう世界は素人が意気込んでいても何の力にもならんだろうな、と言うことくらい。
このエピソードは完全に原告側で観てるわけだが、逆に誤診でないのを誤診だと言う逆パターンの物語もありなのだろうし。

関係ない立場で観てる分には面白いが、当事者なら確かに神経すり減らしてしまうに違いない。

出演:田宮二郎 生田悦子 太地喜和子 島田陽子 中村伸郎 山本學
1978〜1979年日本
ラベル:白い巨塔
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2009年09月29日

田宮二郎『白い巨塔』<1978年版>第15〜17話

ドイツですっかり舞い上がってしまった財前は帰国直後、誤診で告訴されると新聞にすっぱ抜かれてしまう。
現実に戻った財前は担当医だった柳原をこっぴどく叱りつけた後、突然豹変して彼を諭すように話しかける。
原告側の証人に立つのは正義感溢れる里見助教授。彼の正当な証言は財前にとって最大の強敵である。そして原告の弁護士を受け持つ関口弁護士も利益を求めない正義の人であった。

普通こういう話って原告側が主人公なわけで人間として医者として最低としか思えない財前が主人公って本当に不思議な作品だ。
財前はまた窮地に立たされた時の頼みの綱の義パパに甘え鵜飼教授やら強力な弁護士やらに援護を求める。
「金に糸目はつけまへん」って物凄い金持ちだなあ。財前パパって。
財前にとって味方なのかそうじゃないのか、よく判んないのが愛人のケイ子なんだけど今回は特に「じゃ医者としての五郎ちゃんはどうなの」と手厳しい。愛人が崖っぷちに立たされているのを面白がって観ている、だけじゃなく、彼のワルな魅力に惹かれながらも命を奪うような間違った行動をとったことを臆することなく糾弾する、これも不思議な愛人である。

財前のせいですっかり影が薄くなってしまった東元教授家。最初から財前が大嫌いで悪口ばかり言ってる東夫人。こういう女性の理不尽な悪口に憤慨するのが普通のドラマだがここにきて夫人の言い分は尤もなことになってきて正当な女性になってしまってる。
この裁判によって財前の運命がどうなるか、というドラマ展開だが、同時に原告側の証人に立つ里見の運命も左右されるのだ。
日曜日にも里見の研究を手伝う眼鏡くんは里見助教授に心底傾倒しているようで「里見先生とこうして研究している時が一番幸せです」ということらしい。

財前がすっかり悪役そのものになってしまったところで財前の母親が登場。「怖い顔だけど心は優しい子なんです」ということばでまたちょっと財前、株を上げる。財前ママの案内を愛人ケイ子がやるというまたあちょっと不思議な光景なり。
徹底的に真実を述べると言い張る里見と大河内教授。里見は大学側から「ことと次第によっては大学にいられない」と言い渡される。
それを覚悟の上で里見は証言に立つことを決心する。

裁判ドラマになって今まで以上に面白くなり今日は3話観てしまった。
大河内教授はさすがに堅実な証言をし、財前を窮地に追い込む。残る里見証言はもっと厳しいものになるだろう。
財前側は頭を抱え、原告側の正義弁護士は着々と攻撃態勢を整えて行く。
それにしてもやはり一番の窮地は財前でも里見でもなく柳原君であるなあ。二人の立場は揺るぎもしないが柳原君の心は揺れ動いていてどちらに傾くのか。

あ、東夫人は結局その場その場で自分に都合のよいことばかりを言うのだと知れました。

原告側弁護士をどこかで見たと思ったら児玉清さんだった。今とイメージ違うのですぐ判らなかった。今のほうがハンサム?

出演:田宮二郎 生田悦子 太地喜和子 島田陽子 中村伸郎 山本學 中村伸郎
1978〜1979年日本
ラベル:白い巨塔
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2009年09月19日

田宮二郎『白い巨塔』<1978年版>第13・14話

うぎゃあもう居ても立ってもいられない恐ろしい2話であった。
患者さん及び家族の方は勿論だが何と言っても今回の悲劇は柳原くん。もし自分が彼の立場になったらと思うとぞっとする。

医療関係の仕事についたなら患者の死という悲劇は何度となく体験することだろうけど、自分の行動が間違っていると気づきながらそれをやるしかない、そして思った通りに患者が死んでしまうなんて。いっそ最初から財前教授に逆らいもせず氷の心で押し通したのなら、まるで中途半端に言ってみたり言わなかったり、しかしただの助手の身分ではそうするしかできなかったという惨めな結末。
かなり前の作品であるとはいえ、こういうことは決してないとは言えないのだろうなあ。

色んな敗因があるのだよね。外国行きで気もそぞろになっている財前に手術を依頼した里見くんの見通しの甘さも関係する。いい加減財前の人間性を把握してもらいたいもんである。
しっかしこれってこんな患者が追いつめられた状態になっても担当医でなければ手出しができないと言って遠目で見ているしかない、なんて理不尽な仕組みである。
おかしいのは浮かれながらドイツに行った財前が「ドイツでは医者特に教授は皆からの崇拝されるのですよ」と言われると嬉しがるが「それは医者が崇高な気持ちで患者を見るからです」と言われると重大患者を放ってきたことがさすがに思い出されて言い訳をする。
それにしても学会に費やす時間は僅かで後は思う存分羽を伸ばして遊びまわる財前。さすがにちょっとかっこ悪い。

最も見通してるのは財前の愛人ケイ子で彼がこの手術で失敗すれば裁判沙汰になると予測している。多分この後、その方向に話がいくんだろう。
貧乏な家の出で自分が医者になることを家族が待っていると言って泣き伏す柳原くんの板挟み状態の凄まじさは圧巻で教授からも患者の家族からも温厚な里見からも同僚からも「お前が悪い」と責め立てられる。自分自身の家族からのプレッシャーもある。自殺しても不思議ではないな。確かに彼のような性格では医者になれないのかもしれない。徹底的に里見的か財前的か。里見って人も割り切ってることは割り切ってるんだよなあ。あんなに怒った後で見送りに来るなんて。変な人だ。

壮行会のお座敷ってあんなもんなのかもしれないけどあれも変てこな世界だよね。物凄狭いし(それはドラマの予算のせいか)オジさんの踊りを見なきゃいかんし。
私だったらあんなのを見てるよりは「患者の容体が急変しましたので」と嘘でも出て行きたいけど。

患者の妻役を中村玉緒が演じていて心細い女性の様子がうまい。
自分たちではどうすることもできず死んでいく夫を見続けるしかできない家族、怯えた心で悩み続ける柳原、真面目で一途だが財前を見る目がなかった里見、目先の欲得だけしか見えず先が見通せなかった財前の甘さ。ただ一人未来を予測していたケイ子。
さて次回からどんな展開になりますやら。
自信過剰の財前が追いつめられていくのだろうか。

出演:田宮二郎 生田悦子 太地喜和子 島田陽子 中村伸郎 山本學 中村伸郎
1978〜1979年日本
ラベル:白い巨塔
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2009年09月16日

田宮二郎『白い巨塔』<1978年版>第11・12話

物凄く間が開いてしまったが『白い巨塔』観賞再開。
さてさてようやく念願の教授に選ばれたところで前回終わっておりました。今回から冒頭の総回診の台詞が「財前教授の総回診が始まります」に変わった。おお、先頭を行くのは財前君だ。
しっかし、主人公の中にも色んなワルがいるだろうが財前くらいほんとに嫌な奴ってそういないんではないだろうか。ここまで憎たらしい奴を主役にしたっていうのは凄いとしか思えない。

私はそれほど病院に行かないので経験も少ないがそれでもたまに凄く嫌〜な言い方をする医者に会ったことはある。ただでさえ病気になって気弱になっている時に優しさのない言い方をされるとぐさりとくるもんである。
それにしても財前教授の患者を人間とは思ってないような態度でちらりとも見ないような総回診って意味があるんだろうか、なんて初歩的なことを思ってしまう。単に権威を見せたい為のものなんだろうか。
そんな財前教授にドイツから医学会の招待状が舞い込み、準備に大わらわの折り、真面目人間里見くんから面倒くさい病人の手術を頼まれてしまう。しかもその人は保険証扱い(なんていう言い方があるんだ)の患者なので常に権威や金が目当ての財前としては面白くない。その上、どうもレントゲン写真に怪しい部分があるので再検査をしたほうがいいのでは、と医局員が進言するもんだから財前怒り心頭。さらに里見まで口を挟んできたことで財前は意地でも再検査を拒み(里見にはすると言っておき)「最短時間で手術をしてみせる」と変な向上心を抱くのだった。
患者への冷たい言い方、貧乏人への雑な扱い、うーもう大衆の敵なのにこやつが主人公というドラマって。お母さんへの仕送りだけは値上げしてあげる優しい息子なんだけどねー。
里見が絶対にと頼んだ検査はもう行うことはないんだろうな。果たしてこのせいで手術が失敗、ということになっていくんだろうか。

相変わらず面白いのが財前パパ。教授になった五郎への褒美として愛人のマンションを買う為の金をぽんと出し、しかも毎月の家賃も「私が出そう」ってそれじゃどっちの愛人よ。って気もするが。義父公認の愛人って居心地悪くないものか。しかし五郎はそれさえも「このくらいのことしてくれて当然だ」だと。さすが悪党主人公。大地喜和子さんも相変わらず五郎をくってます。
教授でなくなり現在無職の東元教授。庭いじりをする姿を見て奥様相変わらずの毒舌。なんとかもう一度夫を持ちあげようと頑張ってます。

はてさて、財前教授編もまたどす黒い物語が渦巻きそうでありますなあ。

出演:田宮二郎 生田悦子 太地喜和子 島田陽子 中村伸郎 山本學 中村伸郎
1978〜1979年 / 日本
ラベル:白い巨塔
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2009年06月13日

田宮二郎『白い巨塔』<1978年版>第8〜10話

実は昨日8話だけを観ていたので五郎の教授選挙どうなったかと気をもみながらつづくとなったわけだった。
それにしても10話と観てくるとさすがにTVドラママンネリズムがたまらない。本来なら1週間に1話だけ観るものなのだからこのマンネリ化したキャラクター演出が楽しみなのだろうが同じことばかりを繰り返すおやじ連には参ってしまう。
ま、それでも「いいお話」ではなく「悪い奴ら」ないしは「嫌な奴ら」の話だからまだ我慢できるのかもしれないが。
本当に観ているだけで医学界というか大学内の腐敗の匂いが芬々である。一体こんなことばかりやっててこの間の外科手術などはきちんと行われているのだろうかと不安になってくる。
財前五郎にしても最初から悪役だと判って観ていてもやはり気持のいい主人公とはどうしても思えないし、微塵も共感できないのだが周りのオヤジたちの奮闘ぶりが面白くて見ているわけである。
おまけに五郎のライバルとなる金沢大学の菊川教授がいい人なのでこれって菊川さんになってもらったがいいんじゃないのかなあと思ってしまうというのもおかしな感じである。東教授が五郎を嫌うのも当然のようにも思えるし、東教授側で嫌なのは奥さんだけだがその奥さんが一人で悪役になって頑張っている。後は今津さんがやたら鼻の下に汗をかいているのが気になるくらいである。
そして一番気の毒なのが菊川教授だ。真面目な人柄を買われて財前対抗馬に推薦されたのにこの仕打ち。まあ、もうこんなごたごたはこりごりだと嫌なことが終わってほっとされたであろう。
そう、つまり財前五郎がとうとう浪速大学第一外科教授に選ばれたのである。
さすがに選挙投票結果が出る場面はちょっとどきどきしたが、選ばれてもちっとも喜ばしくないという変な主人公である。
こういう考え方をしてしまうのは時代の違いなんだろうか。昔放送当時ならもう少し喜べたんだろうか。里見助教授の在り方がやっぱり憧れてしまうのだがなあ。別にご飯が食べられるならそれでいいんじゃないか、と思ってしまうのは今だからなんだろうか。

五郎の義パパのように金で心が動かない人がいるかいな、と信じてる人もいれば大河内教授や里見のような絶対不動の人物もいるのが面白い。小松方正演じる野坂教授のようなのも。

さてさて五郎が手に入れた教授の席。ここで終わりじゃないってことは(というかこれからが長いし)またまたこれからもドロドロとした世界が渦巻いていくのだなあ。

余談だが、このドラマを観ていると今のTVドラマよりかなりセリフにつっかえたり、言い淀んだりする場面がある。
つまり今のヤツはよくNG特集なんてのがあるけど少しでも間違えると撮り直しで完全に滑らかに会話するまでやり直すのだが、この当時のドラマ(か、この『白い巨塔』だけなのかはわからないが)はかなり生っぽく、というかやり直しなしで撮影している、ということなのだろうか。
セリフも難しいのが多いから大変そうにも思えるのだが、結構セリフでつまづくのだよねー。却って凄いな、と思ってしまうのだった。

出演:田宮二郎 生田悦子 太地喜和子 島田陽子 中村伸郎 山本學 中村伸郎
1978〜1979年 / 日本
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2009年06月02日

田宮二郎『白い巨塔』<1978年版>第5・6・7話

上がったかと思えば落ち込み、また浮上し、の繰り返しで胃が痛くなってきてしまうがそこが面白いとこなんだなあ。

同じ病院内にいながら財前という地位を狙う野望の男と里見という医者の鑑の如き男が対照的に描かれていくのだが、大概のドラマでは里見のほうが主人公になる(と思うのだが)悪役ともいえる権力の欲望にとり憑かれた男が主役になることで社会の仕組みがどんな風になっているのかが見えてくるのだから面白い。
財前だけでなくどの登場人物も含みがあって興味深いのが観ていて飽きない要素なのだろう。
結構登場時間が長いのは財前の敵と言える東教授で彼はよくある権威の権化のような存在ではない。むしろあまりにもスタンドプレイが目立ちすぎる財前が病院にとってよくないのではという考えもあってただ単に身内だとかじゃなく研究熱心な人物を推薦しようと思っているのだし、財前に対して卑劣な行動をとっているわけでもないのだが、やはり観る者は主人公に肩入れするものだから自然嫌な奴に見えてくる。元々金持ちで家柄もいいお坊ちゃんだから下品な財前の言動に嫌悪感を持っただけでもしかしたらこの物語が始まる前に財前はもうすでに助教授で腕前もあるのだからもう少し謙虚であったら気に入ってもらえたかもしれない、と思うのだがどうだろう。ただしそれではこの物語が成立しなくなってしまうが、本作以前の部分が大切だったはずなんだがなあ。
一番腹の立つキャラクターはその東教授夫人だ。夫を見ればどんな役職についたか、財前がどんなに嫌なやつか、娘に対しても見栄や世間体の話ばかり、菊川教授への話も失礼としか思えない内容だがどういうわけか夫の東教授はやんわりとなだめるだけで夫人を頭ごなしに怒ったりもしないし、一人娘を可愛がって変な策略結婚なんかを考えたりしないのもいい夫いいお父さんのようである。
敵役にしてはいい人だなあと思ってしまうのだ。

面白いのは財前義パパでこの物語はある意味財前義パパの出世物語でもあるわけで自分は開業医にしかなれなかった(と彼が言っている)為に才能ある娘婿を何とか自分の願望である大学教授にして財前家の格を上げようと一念発起しているわけである。
その為には娘すら犠牲にしてもいい、というほどである。彼が可愛いのは彼の願いをかなえる五郎その人だけなのだ。
それにしても東教授を説得させてもう寸前まで五郎を教授にできそうだったのに東教授が酒の席に戻っていく場面は縮みあがってしまった。いやあ心臓に悪い。財前義パパ、岩田さんという人たちは頼りになるんだかならないんだかよく判んないが愛すべきキャラクターだ。問題を起こすためにいるようなもんだ。

やたら善人の里見兄弟にぞっこんの東教授の娘。煩くてはったおしやくなる東夫人。財前にいつも厳しいケイ子、と女性陣もなかなか面白い。
東教授後継者を全国から公募することになりその結果も一ヶ月後ということでなかなか先は長そうだ。
財前さんの手術シーンもぱたりとなくなってしまったが、こんな画策ばかりに手間をとってるんじゃ確かにオペしてる時間もない。
やっぱ菊川さんにしたほうがいいのかも?

このドラマってやはり昭和と平成では観る者の受け止め方も違うのだろうなあ。今、財前のようにあくせくしたくない、と思う方が多いのではないだろうか。

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2009年05月25日

田宮二郎『白い巨塔』<1978年版>第3・4話

第2話最後で「これでうまくいくのかー」と喜んだのも束の間(当たり前と言えば当たり前だ。すぐ終わってしまうぞ)思った以上にずるずる泥沼にはまり込んでいく。「よっしゃ、わしがなんとかしたる」と言ってくれた義父とその友人のおっちゃんもなかなか人の心を動かすのは容易ではないのだなあ。手に汗握ってしまうではないか。

東教授がほんとに嫌な教授らしさが滲み出ているのだよねー。第4話で判ったのはこの物語が単に財前という自信家の男の野望というのではなくて、東教授たちは代々教授といういい家柄身分なのだが五郎は田舎の学校教師を両親に持ち、しかも父親を早くに亡くして母の手一つで育てられた身の上だということ。
五郎の母親は彼の幸せの為に一人息子である彼を財前産婦人科の養子婿にして自分は一切彼に会おうとせず田舎に引っ込んでしまったのだ。一見冷酷なような五郎は母親の為になんとしても教授になってやると誓ったのである。
愛人ケイ子は五郎が母親に送金していることを知って「今までは興味本位だったけど、今からは必ずあなたを教授にさせるわ」と決意する。いわば五郎の妻も結局は五郎とは違う身分。だから五郎はケイ子に心を開いているのかと今頃気づいた自分であった^^;

さてそれにしても教授になるというのは厄介なことなのだなあ。実力があっても大事なのは根回しで相手の顔色を伺ったり、作戦を立てたり大変である。
どこの大学出か派閥権力争いなのだ。
五郎も医局長を味方につけたりと反撃をしてるが今のところ東教授の行動のほうが先を行っている。
ところが第4話の最後でとうとう財前五郎が直接東教授に刃を突きつけるような発言をする。東教授が他の大学から次期教授を入れようとしているという噂があると直に問うたのだ。
無論さすがにこの段階では東教授もそうだとは言い難い。「右手である君に相談もなくそういうことはしない」と言ってしまう。
それに対し五郎は「もしそういうことがあったら泣き寝入りはしない」と東教授を睨みつけるのだった。

うわまた怖い「続く」だ。東教授が青くなってしまったような気がするが、きっとまた次の話では東教授が盛り返しているのか。

ところで財前の対比で「人情のある」医者として登場する里美助教授が出てくるが今回の話ですい臓癌の疑いがある患者を何度も検査してあげくに何もはっきりとは告げないまま検査手術をするのだが、これって人情味のあることなのか。ドラマ中でも患者の女性は「何も言わないまま検査検査でこの上腹を開いて検査なんてあんまりだ」と苛立っているが私だって何の理由も言われずに手術って怒ると思う。こういう医者のやり方って結構あるような気がするが昔のドラマだからということもあるのか。どちらか判らないならそれはそうだときちんと説明して欲しいと思う。検査手術で癌摘出しましたって言われても逆に素直に喜べないような。何故説明しないのか。今だったらするのでは、とも思うのだがどうだろう。実際自分が具合が悪くなって病院へ行ってもナンだかよく説明してくれない時がある。こういう医者って困るのだ。

名刺代わりに120万円の絵画(今の値段でも高いぞ)って凄いなあ。当然の金額なのか。

手術シーンがこんなに生々しく撮影されてるとは思わなかった。この映像はナンなんだろう。

出演:田宮二郎 生田悦子 太地喜和子 島田陽子 中村伸郎 山本學 中村伸郎
1978〜1979年 / 日本
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2009年05月24日

田宮二郎『白い巨塔』<1978年版>第1・2話

白い巨塔.jpg

『白い巨塔』というタイトルは無論知ってるが、最近作られた方もこの田宮二郎版も全く観たことがない(私はTVドラマを以前からあまり観ていないのだ)
観たことがなくても大体のイメージだとか出だしに教授行列の御回診があることは何かで知ってるという有名なドラマである。やはりここは田宮二郎版で観てみたいと思いレンタルしてみた。


例の有名回診シーンから始まり早速田宮二郎演じる時期教授を狙う財前五郎の野望を見せ付けられる。
単刀直入に判りやすいが、やはりTVドラマはナンだか画面が軽いからなあ、少し観て嫌なら止めればいいや、と少々侮りながら観ていたがさすが人々の心を掴んだドラマというのはそんな単純なものではなくどんどん面白くなってとても止められる状態ではなくなった。

今のTVドラマを観たくないのは若い人ばかりが出て年配はほんの脇役ちょい役にしか過ぎないからだが、このドラマはそこら辺からして全然違う。43歳助教授の財前が一番若手ってくらいだから後はドーンと重いおじ様がたばかりである。青池保子『エロイカ』で「このページ重い」っていうのがあったが画面が重い。殆ど年寄りばかりだし海千山千というか凄そうなオヤジばかり。こんなに平均年齢高いドラマもあまりないのではなかろうか。とはいえこんな物語には若造は用なしだ。
女性陣も財前の妻あたりの年齢層なのでそうそう若くはない。

オジサンも多いが女性が多く登場するのも原作者が女性だからだろう。ちょっと驚きだったのは最初に活躍するのが財前の愛人ケイ子(太地喜和子)という女性だということで奥さんのほうはおざなりで愛人のほうが大活躍というのも結構びっくりな設定だし、主人公が最初から奥さんそっちのけで愛人を頼りにしてる、というドラマってあんまりないよなあ、当時もこれって普通だったのか、いや昔のほうが甘かったのかな、と変なところで考えてしまった。
そして浪速大学ということで本当は全部関西弁なのだろうがとりあえず大まかには標準語でオヤジさんだとか関西弁が似合うキャラクタ−は思い切り関西弁、財前も家庭でとかでは関西弁になる、というのも面白かった。特に財前の義父やその友人のおっちゃんなんかは確かに大阪弁でしゃべってもらったほうが生き生きとしてくる。標準語で話すとのではキャラクターがまったく変わってしまう気がする。

財前五郎という助教授は財前産婦人科という開業医の入り婿である。五郎の義父は彼を高く評価していて絶対に彼が浪速大学の次期教授になると信じており、彼が食道癌手術のスペシャリストだということを誇りに思っている。彼が大学教授になることは財前家の格を上げることになると彼への援助を惜しまない。
この財前義父がすんごく面白くて魅力溢れる。自分も愛人がたくさんいるし、婿殿にも浮気を勧める。娘は贅沢させてさえいればかまへん男は浮気してこその甲斐性や、なんて言われたらなるほどそんなもんかなと納得してしまいそうだ。東教授に見放されしょげ返る婿五郎に力強い味方を紹介し、金ならなんぼでも用意しまっせ、なんてかっこいいなあ。男って感じ〜。紹介されたおっちゃんも「まかしとき」なんて感じで威勢がいい。2話の途中まででもうすっかり落ち込んでしまったのにこれでもう大丈夫みたいな感じでうれしくなってしまったぞ。五郎もすっかり元気を取り戻したね。

それにしても今まで開業医が馬鹿にされてる、なんて考えてもみなかった。そうか、大学教授なんていうのから見れば開業医は下になるのかあ、金儲けはどちらができるのか、とかその辺はまた人それぞれなんだろうね。
野望高き財前五郎の反対側にいる存在として里美・内科助教授。出世など考えない医学の道一筋の人である。彼の兄も貧乏開業医として登場し、世の中にはこういうお医者さんもいるのだよ、と見せてくる。
大学で醜い人間関係の中で出世していくのが大変か、金儲けできず貧乏医者として軽く見下されるのが大変か。奥さんのほうを見ても教授夫人はいがいがして嫌な感じだし、貧乏医者の奥さんも苦労しそうだし、世の中難しい。

いやもうとてもちょっとだけ観て止める、なんて無理である。こってりしたおっちゃん達を観る為にもこれはもう止められない。

出演:田宮二郎 生田悦子 太地喜和子 島田陽子 中村伸郎 山本學 中村伸郎
1978〜1979年 / 日本
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